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第三者機関によるバイオ洗浄剤の効果比較試験
1. 試験目的
家庭では、毛髪や毛髪に付着したぬめりにより、風呂場等の排水管が閉塞しやすくなる。
しかし、洗浄剤を用いると、排水管の閉塞を抑制することができる。本試験は洗浄剤の排水管閉塞抑制効果を定量的に評価するものである。
2. 試験方法
下記に示す『バイオフィルム(ぬめり)形成のための前処理』に続き、『評価のための本試験』を実施した。
実験装置を図1に示す。
< バイオフィルム(ぬめり)形成のための前処理 >
@ 台所、風呂場等の排水管からぬめりを採取し、水に分散する。
A コンテナ5台に風呂の残り湯(40L)と一般細菌用の培地(60g)を入れる(数日ごとに風呂の残り湯と培地を追加)。
一般細菌用培地 : トリプトソーヤブイヨン 日水製薬株式会社
B Aのコンテナに@を添加する。
C コンテナ内はエアレーションを行い、ヒーターにより20℃程度に保つ。
D 毛髪(1g)を固定したステンレスネットを透明チューブに設置する。
透明チューブ内にコンテナの水を水中ポンプで循環させる。
E 透明チューブ直前では開放系を設け、透明チューブ内にエアが入り込むようにする。
F バイオフィルム(ぬめり)が形成されるまで、1ヶ月間、水の循環を継続する。
G 1mLのサラダ油を週2回(火曜日と土曜日)、透明チューブの直前で添加する。
添加したサラダ油は回収せず、コンテナ内に戻す。
(コンテナ内のサラダ油はコンテナ上部に浮上するため、チューブ内に再循環することはほとんど考えられない。)
< 評価のための本試験 >
H 1ヶ月後(バイオフィルム形成を確認)後、4台のコンテナには、図1に示す部分からそれぞれ4種類の洗浄剤を流す。
洗浄剤はそれぞれ下流部で全量を回収する。残りの1台のコンテナでは、洗浄剤は無添加とする。
I その後、再びコンテナの水を循環させる。できる限り台所等での使用状況に近づけるため、循環ポンプはタイマーで2時間半休止、30分稼働を繰り返す。実際の家庭で汚水は循環していないが毎日、汚水が流れる状況を試験の便宜上、循環という形式で再現している。Hの操作により、循環する汚水中に洗浄剤が流入する事はない。
J 洗浄剤の添加頻度及び量は、それぞれの製品に決められた使用方法に従うものとする。
K 数日ごとに循環している水を止めた後、透明チューブから水が抜けるまでの時間を測定する。
水が抜けるまでの時間が長くなると管内の閉塞が進行していることになる。
L 約9週間後、透明チューブ内の毛髪とステンレスネットを取り出し、1Lの滅菌水に入れ、超音波(3分間)によりバイオフィルムを剥離する。剥離液のCODcr、一般細菌を分析する。
図1:試験概要
画像左:試験環境全景
画像右:透明チューブ拡大
コンテナの大きさ : 幅 609 × 奥行 354 × 高さ 300 mm
透明チューブの直径 : 50 mm
透明チューブの長さ : 100 mm
試験で使用した管は実際の家庭に設備されている直径50mmの物を採用。
試験実施日
前処理:平成25年3月4日 〜 平成25年4月5日
本試験:平成25年4月6日 〜 平成25年6月1日
3. 使用検体
検体概要 使用頻度 使用量(1回当)
検体1 天然のBN菌を人為的に配合
毎週2〜3回
初回のみ36mL
2回目以降は18mL
検体2 スリーケー 排水管洗浄液
微生物と酵素を自然環境で熟成
※微生物は通性嫌気
初月は1週間に1回
以降は2週間に1回
400〜500mL
検体3 微生物と酵素を人為的に配合
※微生物は通性嫌気
毎週2回
原液(30mL) +
水道水(420mL)
※15倍希釈で使用
検体4 パン酵母、乳酸菌、納豆菌、
糖蜜などを人為的に配合
最初の2ヶ月は週に2〜3回
以降は1週間に1〜2回
100mL
4. 試験結果
試験結果
試験結果
4−@ 排水経過時間から得られた情報による分析
排水経過時間から得られた情報による分析
※変動時間 = 平均 − 1日目
平均時間と試験1日目の差を求める事で、試験期間全体を通して排水の流れる状態を数値化できます。
●最大時間での比較 検体2(排水管洗浄液) < 検体3 < 検体1 < 検体4 < 空試験
●最少時間での比較 検体2(排水管洗浄液) < 検体1 < 空試験 < 検体3 < 検体4
●平均時間での比較 検体2(排水管洗浄液) < 検体3 < 検体1 < 空試験 < 検体4
●変動時間での比較 検体2(排水管洗浄液) < 検体3 < 検体1 < 空試験 < 検体4
この試験結果から検体2(排水管洗浄液)が最大、最少、平均及び変動時間のいずれにおいても排水経過時間が最短である事が確認できます。
4−A 時系列における検体毎の挙動分析(空試験との比較)
0)空試験の挙動
空試験の挙動 試験当初より汚れ(ぬめり)が発生し、10日目〜19日目までの10日間程が汚れのピークで排水時間に10分以上の時間を要しています。しかし21日目からは、状態は一転して改善に向かいます。
改善後は、その状態が試験最終日まで持続されます。
この挙動は微生物の活動としてとても顕著でブレイクポイント以前は汚れを発生させる微生物が優占菌として活動していましたが、それ以降は自然界の浄化を促す微生物が優先菌となり(自浄能力)、試験最終日まで優占状態を維持していると考えます。
1)検体1(緑実線)の挙動
検体1の挙動 ブレイクポイントが空試験(対象)は1回に対し検体は2回存在し、2回共に周期は約1ヶ月程度です。
これは検体能力を維持又は発揮するのに要する時間が約1ヶ月程度と考えられます。
この周期は、検体1を使用したお客様の声で効果が実感できるのに約1ヶ月程度という状況と一致していると同時に考えます。
空試験のブレイクポイント以前は検体の方が対象より優れていますが、それ以降は検体能力より空試験の自浄能力の方が優れていると観察できます。
2)検体3(黒破線)の挙動
検体3の挙動 微生物活動の大きな挙動変化を示すブレイクポイントもなく、試験開始から終了まで安定した検体能力を発揮できていると考えます。
空試験のブレイクポイント以前は検体の方が対象より優れていますが、それ以降は検体能力より空試験の自浄能力の方が優れていると観察できます。
3)検体4(黒実線)の挙動
検体4の挙動 今回の試験において、最もユニークな検体と考えます。
大きく挙動変化するブレイクポイントだけで3カ所確認でき、落差も今回の検体中で最大です。
また一般的な微生物活動の挙動として、ブレイクポイントを経過する度に能力が活性されますが、この検体の場合は逆に鈍化し、回復するのに約1ヶ月程度の時間を要しています。
空試験のブレイクポイント以前は検体の方が対象より優れていますが、それ以降は検体能力より空試験の自浄能力の方が優れていると観察できます。
4)検体2(排水管洗浄液:青実線)の挙動
検体2の挙動 微生物活動の大きな挙動変化を示すブレイクポイントもなく、試験開始から終了まで安定した検体能力を発揮できていると考えます。
今回の試験の中で唯一、空試験と比較して試験開始から終了まで全ての時間軸で、検体能力が優れている事が観察できます。
これは自浄能力を担う微生物活動を阻害する事無く、同時に検体能力を発揮できた結果と考えまます。
また、検体投入後1時間で悪臭が改善でき、1ヶ月経過してもその状態が維持できているという、お客様の声がそのままデーターとして表れていると考えます。
※以上、時系列における検体能力と微生物の挙動から比較(空試験は含まず)すると、
検体2:排水管洗浄液 > 検体3 > 検体1 > 検体4 になると、考えます。
弊社の考察範囲ですが、これら各検体の挙動には、微生物剤製造方法が大きく起因していると考えます。
本日現在既にお伝えしているご案内になりますが、4−A-1)〜3)は人為的に微生物や酵素、化学物質等を『配合』する製造方法に対し、4−A-4)(弊社)は有用微生物を自然に近い環境で6ヶ月の時間を掛け完成させます。
結果、これらの製造方法の違いが効果の差に繋がっていると考えます。
4−B 参考動画(空試験除く、検体1〜4排水時間の比較)。5月17日(41日目)現在。
※画像又は検体番号をクリックすると、Youtubeで動画が再生されます。
検体1 検体2 検体3 検体4
4−C 残存有機物量及び一般細菌数の比較
CODcr(二クロム酸カリウムによる酸素要求量)
日本の環境基準等において使用される酸化剤は、測定に長時間を要するBODの代替指標との意味合いから、比較的酸化力が弱く生物分解性有機物の酸化に近い過マンガン酸カリウムによるCODMnが採用されています。
これに対して、有機物全量を推定するものとして、強力な酸化剤である二クロム酸カリウムによるCODCrがあります。
今回の試験は有機物の全量分解が目的なので、CODcrを採用しました。
得られた数値が小さい程、有機物の分解が行なわれていると判断できます。
※データーは試験が完了した6/13現在のものです
CODcr
(mg/L)
一般細菌数
(千個/mL)
検体1 72 1,300
検体2 47 620
検体3 79 900
検体4 300 840
空試験 70 850
CODcr 一般細菌数
CODcrは、検体2:排水管洗浄液が最小値である事から、ぬめりなど微生物活動によるバイオフィルムの発生抑制に一番効果が得られていると考えます。
一般細菌数は、最大で2倍程度の差が見られる検体も存在(1と2)しますが、微生物活動においては各検体の差が10倍〜1,000倍程度の差は確認できない事から、特段の差は見られないと考えます。
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