浄化槽のボウフラ駆除の方法は?侵入経路や主な蚊の特徴、他の害虫も紹介

浄化槽にボウフラが湧くと、成虫になってから飛び回って菌をまき散らすためとても迷惑です。
夏になると大量に湧くボウフラを駆除する効果的な方法を確認しておきましょう。
この記事では、浄化槽のボウフラを駆除する効果的な方法や、どうやって浄化槽に侵入するのか、浄化槽に産卵する蚊の特徴や、他にも害虫が湧くのかなどを紹介します。
浄化槽に特に多く発生する蚊の種類の特徴も紹介するため、蚊の季節に向けて対策しましょう。
目次
浄化槽におけるボウフラの駆除
浄化槽には生活排水の浄化という重要な役割を担う微生物が棲んでいるため、一般的な殺虫剤などを使用すると微生物に悪影響が及ぶ可能性があります。
まずは、浄化槽におけるボウフラの駆除について、押さえたいポイントを紹介します。
ボウフラの時点での駆除が重要
ボウフラの成虫は蚊ですが、飛ぶようになると生息の範囲が一気に広がってしまい、駆除が難しくなるため、ボウフラの時点での駆除が重要となります。
ボウフラは身体が小さく泳ぎが得意ではないため、バケツや古タイヤ・植木鉢の受け皿などに溜まった水、波立たない静かな水辺などに好んで生息します。
浄化槽内部は流されるような水の動きはなく、ボウフラのエサは水中の微生物や細菌・生物の死骸や排泄物などのため、浄化槽はボウフラにとって繁殖しやすい環境といえます。
浄化槽にボウフラが湧いたら、放置せずに駆除のための対策をしましょう。
浄化槽用の殺虫剤がある
浄化槽にボウフラが湧いた場合、専用の殺虫剤を使用しましょう。
昆虫の羽化を阻止するホルモンを利用したものや、昆虫の神経伝達を攪乱して殺虫するものなど、有用微生物に影響がない成分を使用した浄化槽用の殺虫剤が市販されています。
また、浄化槽内の成虫に対しては、吊り下げタイプの殺虫剤が効果的です。
水中にいるボウフラに対しては、そのほとんどが浄化槽に投入したりスプレーしたりするだけの殺虫剤が多く、業者を呼ばなくてもボウフラへの対策ができます。
蚊が潜む場所を作らない
浄化槽の周りは、雑草を定期的に刈り取ったり樹木をすっきりと切り揃えたりするようにし、蚊が隠れられるような環境を作らないことも重要です。
蚊は日陰で風通しの悪い、湿気の多い草むらややぶに潜むため、鬱蒼としていると産卵の機会を与えることにつながります。
浄化槽は法定検査や保守点検があるため、周りを点検しやすく片付けておけば蚊も寄り付きにくくなるでしょう。
ボウフラの浄化槽への侵入経路
浄化槽のボウフラを駆除するには、そもそも蚊が浄化槽へ侵入し産卵するのを防ぐことも必要です。
ここでは、ボウフラの成虫である蚊が産卵にこぎつける侵入経路を紹介します。
排水口や通気口など
蚊やハエなどは都市部の集合住宅で浄化槽を設置している場合、空気抜きの通気管や通気口・一般住宅の排水口など、浄化槽につながるところから侵入します。
通気口など外部からの侵入を防ぐにはフィルターや防虫ネット、排水口からの侵入を防ぐにはまず家の中への侵入を防ぐ必要があります。
サッシのすき間や網戸の破れ
窓の網戸が破れていたら補修をし、玄関や勝手口を出入りする際は速やかに開け閉めする、家が古くてすき間がある場合は塞ぐなど、蚊の入る隙を作らないようにします。
夏の暑い日などは窓も玄関も開け放って風を入れる家庭も多いため、完璧に防ぐことは難しいかもしれませんが、蚊に限らず害虫が侵入しないようしっかりチェックしましょう。
マンホールのすき間
浄化槽のマンホールの蓋がしっかり閉まっていなかったり、破損などですき間ができていたりすると、そこから蚊が入り込む可能性があります。
外部から入り込む隙間があると、蚊だけでなく他の害虫も侵入できてしまいます。
破損をすぐ治すことが叶わない場合は、防虫ネットを浄化槽へ被せるなどでも対策できます。
蚊が外部から直接浄化槽に入り込む隙間がないか確認しましょう。
換気扇(換気口)
換気扇や24時間換気の給排気口などから蚊が入り込む場合があります。
換気口にフィルターがない場合やフィルターの目が粗い場合は、市販のフィルターを使用して蚊が入らないよう対処しましょう。
その際、完全に塞いでしまうと換気できなくなってしまうため注意してください。
浄化槽に湧く蚊の特徴
浄化槽に多く湧くボウフラの成虫である蚊は、以下に紹介する3種類が代表的です。
- チカイエカ
- アカイエカ
- ヒトスジシマカ
どの蚊も刺されるとリスクがある蚊で、感染症を媒介するため、不快なだけの害虫ではありません。
これらの蚊についての特徴を紹介します。
→浄化槽に虫がわくのはなぜ?駆除や予防の方法、注意点などを詳しく解説
浄化槽に多いチカイエカ
チカイエカは『地下家蚊』といい、都市部の地下浄化槽などで一年中発生する、寒さに強い褐色の蚊です。
20~30℃を好んで活動しますが、冷房が効くビルでも生息するチカイエカは10℃程度でも吸血活動を行うため冬でも冬眠せず、フィラリアを媒介します。
1回目の産卵は吸血しなくても行え、よく見かけるやぶ蚊であるヒトスジシマカに比べて10~100倍近い数の卵を水面に産みつけます。
一斉に孵化して十数日で成虫になり大量発生する特徴がある、非常に繁殖能力の高い蚊です。
日本脳炎を媒介するアカイエカ
チカイエカに見た目がよく似ているアカイエカは、溜まっている水ならどこでも発生する、蚊の中でも汚染された水域からの発生が多い蚊です。
家屋に侵入し、特に吸血が好きな蚊で、日本脳炎や犬糸状虫症を媒介するとしてよく知られています。
鶏が特に好きですが人や犬も対象で、メスは越冬し産卵前に吸血もしますが、オスは冬の間に死んでしまい吸血もしません。
夜に吸血するため嫌われています。
やぶ蚊といえばヒトスジシマカ
縞模様がおなじみのヒトスジシマカは、メスが朝から夕方まで吸血します。刺されると最もかゆいといわれている蚊です。
刺されたところが大きく腫れる特徴があり、デング熱を媒介します。
生息していそうなポイントに行くと刺されるという『待ち伏せ型』の蚊といわれています。
ボウフラ以外の浄化槽の害虫
浄化槽にはボウフラ以外にも、繁殖する可能性のある害虫がいるため、入り込ませない努力が必要です。
また、発生した場合はボウフラ同様、専用の殺虫剤で対処することは可能です。
ボウフラ以外にいる浄化槽の害虫を紹介します。
ユスリカ
ユスリカは蚊に似た外見ですが吸血しない、ハエの仲間です。
水の汚れの原因となる有機物を食べて水質を改善する益虫の面と、蚊柱を成して洗濯物や布団に付着する害虫の面を持っています。
光に誘導されて家に侵入することが多く、浄化槽から発生して食品などに混入するリスクがあったり、死骸がアレルギーを引き起こすことがあったりする、やはり害のある虫です。
チョウバエ
チョウバエは汚いところが好きで、浄化槽のスカムに産卵します。
孵化した幼虫は浄化槽の水の中で過ごし、たった20日前後で成虫になると、排水口を通って出てきます。
別名『便所バエ』といわれている通りとても汚れていて、小さいながらも留まる先を汚染しながら飛び回る、迷惑なコバエです。
アメリカミズアブ
ハチのように見える外観で『便所バチ』とも呼ばれるアメリカミズアブは、成虫よりもウジのような幼虫の状態の方が大きいという特徴があります。
チョウバエ同様スカムに産卵し水中で成長しますが、蛹になるために、トイレなどから外界へ這い出てくることがあります。
アブとはいっても人を噛むことはありませんが、大量に発生し、侵入能力が非常に高いため、食品や食材に混入することも多い害虫です。
サカマキガイ
左巻きの、1cm程度の小さなサカマキガイはなんでも食べるため、浄化槽が機能低下するほど微生物を食べ減らしてしまう害虫です。
あまりにびっしりと大量に発生するため、浄化槽の装置にまで不具合を招きます。
サカマキガイが侵入するのは大雨の際などで、放流先の水位が上がることが原因の逆流のため、侵入を防ぐのは難しいでしょう。
排水管をきれいにしておく
浄化槽で増える害虫はほとんどが汚れたところを好むため、浄化槽の侵入経路である排水口と、浄化槽へと続く排水管をきれいにすることが、害虫の生息範囲を多少なりとも狭めることにつながります。
株式会社スリーケーの『排水管洗浄液』は排水口から流すだけで、自然に優しいバイオの力が排水管内を洗浄して再付着も防ぐ、痒い所に手が届く洗浄液です。
また、微生物が害虫の影響で弱ったら『浄化槽・汲み取りトイレ消臭剤』の機能回復効果が、微生物の働きをサポートします。
ボウフラから始まる蚊の繁殖力に、一石を投じましょう。
まとめ
浄化槽の内部は、槽内で活躍する微生物のために一年を通して温度管理され、栄養も水分も保たれている、虫にとっては棲みやすい快適な環境です。
蚊の繁殖力は高く、特に浄化槽に多く発生するチカイエカは孵化したあとに吸血せずに産卵ができるうえ、通年で活動します。
爆発的に数が増える危険性があるため、発生が疑われたら早めに対処しましょう。
ボウフラ駆除と並行して、微生物のメンテナンスとして、株式会社スリーケーの『排水管洗浄液』と『浄化槽・汲み取りトイレ消臭剤』を、ぜひお試しください。