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排水溝の隙間は粘土で埋める?パテでの補修方法や注意点を詳しく紹介

排水溝 粘土

排水溝はその構造上、さまざまなところにできる隙間から問題が起こることがあります。

そのようなとき、使用者が自分で隙間を補修できる『パテ』を使う方法があります。

この記事では、粘土感覚で隙間を補修する『パテ』の使い方や注意点を、隙間が引き起こす問題や他に問題があるケースなどを踏まえて紹介します。

排水溝のどこに隙間ができやすい?

排水溝 粘土

排水溝には以下のように、問題になる隙間ができやすい場所がいくつかあります。

  • 排水トラップと排水ホースの繋ぎ目
  • 排水ホースが底板に入り込んでいるところ
  • 排水ホースが床下で排水管に繋がっているところ
  • 排水トラップや排水ホースの破損箇所

排水トラップとは、シンクの排水口からゴミ受け・防臭ワン・封水の水を溜めているところまでの部分のことで、シンク下を覗くとシンクの下についています。

排水ホースが底板に入っていくところは、排水プレートやカバーなどがされている場合もありますが、固定されていないため排水ホースが動きやすくなっています。

底板を通った排水ホースは排水管に繋がっていて、その繋ぎ目には防臭キャップがついています。

それぞれの繋ぎ目は、臭いや水漏れなどのトラブルにならないように処理されていることがほとんどです。

しかしシンク下に入れた荷物を無理に押し込んだりすることで、排水トラップや排水ホースがズレたりしてできる隙間もあります。

シンク下を開いたときに、湿気が目立ったりカビ臭かったり、悪臭がするなどの症状がある場合、どこかに隙間があるかもしれないため、確認して早めに対処しましょう。

排水溝に隙間があるとどうなる?

排水溝 粘土

排水溝に隙間があったり、その隙間を放置しているとどのようなトラブルにつながるのかを紹介します。

虫が外から入ってくる

虫はぬめりや湿気の多いところを好み、食べ残しなどのエサもある台所は絶好の棲み処といえるため、上述した場所に隙間があれば入り込んできます。

また、排水トラップ内の封水がなんらかの原因で空になっていると、虫が排水口から部屋に入り込む場合があります。

食べ物を扱う台所で虫が発生するのは衛生的にも問題となるため、原因の隙間を早々に塞がなければいけません。

下水の臭いが上がってくる

台所付近で下水の臭いがする理由はさまざまですが、排水溝に隙間がある場合はそこから悪臭が漏れている可能性があります。

排水口内が汚れている場合もありますが、他にも床下の排水管に問題が起こっていれば業者に相談するなど、悪臭がする場合は早めに原因を探して対処する必要があります。

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排水ホースがずれると水漏れに

排水管から排水ホースがずれると水漏れが起こり、放っておくと湿気で黒カビが発生したり、床板や底板が水濡れで腐食したりする危険性があります。

臭いだけだと思ってがまんしていると、排水溝や排水管だけの問題ではなくなってしまいます。

特にシンク下にものを沢山収納していると、押し込むことで知らないうちに排水ホースがずれている場合があり、収納物もカビがつくなど被害は拡大してしまうため、時々確認したほうが安心です。

排水溝の隙間を埋めるには

排水溝 粘土

排水溝に隙間ができてしまった場合、どのようなアイテムで隙間を埋めるのか、埋め方などを紹介します。

粘土タイプなどの専用のパテがある

『パテ』と呼ばれるもの以外にもさまざまありますが、水まわりの隙間補修のための便利な素材がホームセンターなどに数多く販売されています。

水濡れしているところでも使えるものや、時間を置くと固まるもの、粘土状や充填して使うもの、あとで剥がせるものや剥がせないものなど、使い方がいろいろ選べて便利です。

パテは取り扱いしやすく、あとで剥がせるという利便性もあるため、はじめての人には特におすすめです。

100円ショップの粘土は取るときに面倒

排水溝の隙間に悩む人の間で、100円ショップの粘土が話題になっています。

低コストで代用できるということで、100円ショップの粘土で隙間を埋める人を見かけますが、特に時間経過で固まるタイプのものなどは、問題が起こって剥がすことになったときに苦労する場合があります。

用途に合っていないものを使用したときのデメリットや耐久性を考えると、100円ショップの粘土で隙間を埋めるのはおすすめしません。

紙粘土はきれいに取れない

子どものいる家庭では、紙粘土や油粘度があるためパテとして代用できないかと考える方もいます。

以下のような理由で紙粘土や油粘度は代用におすすめできません。

  • 紙粘土:水に弱く、使用するうちに剥がれたり、床材と一緒に剥がれたりする
  • 油粘度:パテに比べて固く力が必要であるため、隙間を埋めるには適さない

粘土を代用する場合は、応急処置程度に留めておいたほうが無難です。

粘土質のものがいいなら、使いやすく用途に合っているパテを利用するのがやはりおすすめです。

きれいにしてから、盛るように詰める

粘土タイプのパテで隙間を埋める場合、最初に汚れを落としきれいにしてから乾燥させ、もったいないからという理由で節約したりせず、盛るように詰めましょう。

詰めたい隙間付近に油汚れがついていたり濡れていたりすると、上手く固定できない場合があるため、しっかりと乾燥させてから詰めます(なかには濡れていても詰められるものもあります)。

薄く延ばすなどして貼るようにすると、時間の経過と共に剥がれる場合があるため、パテを惜しまずに使って隙間を埋めましょう。

隙間を埋めても改善しないケース

排水溝 粘土

専用のパテなどを使用して隙間を埋めても改善しないケースがあります。

以下のような場合は部品の交換や掃除、業者への相談などで対応しましょう。

封水が切れている

隙間を塞いでも封水が切れていると、虫が侵入してきたり悪臭がしたりする場合があります。

排水トラップのなかには、排水管に被せるような形で椀トラップという部品がありますが、その部品に不具合があると封水がなくなってしまう場合があります。

また、椀トラップの中が汚れていて、髪の毛や繊維状のゴミを伝って封水が流れてしまうケースもあります。

まずは椀トラップを含めて排水口が汚れていたら掃除をし、椀トラップに破損がないか確認してみましょう。

椀トラップがもし破損していたら、ホームセンターで取り扱いがあるため、交換して対処できます。

排水溝が詰まっている

排水溝内や排水管が詰まっていると、悪臭がする場合があります。

排水溝の詰まりを直す手段はラバーカップや液体パイプクリーナー、排水管の場合はワイヤーブラシなど、家庭でも対応できる手段はいくつかあります。

いろいろと試してみて、どうしても詰まりや流れの悪さが改善しない場合は、手の届かないところが詰まっている場合があるため、業者に相談してみましょう。

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防臭キャップが破損している

床下の排水管と繋がっているところの防臭キャップや、底板に置いている排水プレートの劣化、各つなぎ目のゴムパッキンなど、劣化での破損などで部品交換が必要な場合があります。

見た目では判断がつかない場合もあるため、隙間が見当たらない場合は部品の交換を試みてみましょう。

排水溝の隙間を埋める際の注意点

排水溝 粘土

排水溝の隙間を自分で埋める場合、気をつけたほうがいいポイントがあります。

故障個所を補修すること以外にも目を向けなければいけない場合もあるため、参考にしてください。

賃貸物件の場合は許可を取ってから

パテで補修する場合、引っ越し時に現状回復を求められる賃貸物件に住んでいる場合は、簡単に剥がせる補修材を選び、管理者に許可を取ってから使用しましょう。

上述にある通り、紙粘土などは剥がす際に板材も剥がしてしまったり、油粘土は板材の質によっては油シミがついてしまったりする可能性があります。

持ち家であれば何を使ってもいいですが、賃貸物件の場合は現状維持に思わぬ費用がかかったり、次の入居者に嫌な思いをさせてしまったりするかもしれません。

賃貸物件の場合は、自分で補修しようとしたり補修材を用意したりする前に、まずは現状を管理者に相談したほうが間違いないでしょう。

補修と同時に使用方法の改善を

せっかく苦労して改善しても、以前と同じような使い方をしていたら同じ問題がまた起こる可能性があります。

シンク下収納の使用方法が問題の場合は改善する、排水ホースに熱いものを流さない、ゴミを流さないようゴミ受けにネットを被せるなど、使用方法を改善することをおすすめします。

補修をするのであれば、その問題がなぜ起こったのかを考えながら対処し、繰り返さない工夫をしましょう。

粘土を使う場合は自己責任

例え似たような性質のものであっても粘土は粘土であるため、排水溝の隙間の補修に使用したあとにどのような事態になったとしても、それは使用した人の責任です。

持ち家であれば何の問題もありませんが、賃貸物件の場合は、他人の不動産に傷をつけたときの回復費用は決して安価なものではないはずです。

改善したつもりなのに、気がついたら前よりひどい状態になった……などということにならないよう、きちんと補修用のパテを使うことが、設備を長く快適に使うことにつながります。

まとめ

排水溝を粘土感覚で補修できるパテは、放っておくとさまざまな問題を引き起こす排水溝の隙間を埋めることができる、便利な補修材です。

いろいろな理由で開いてしまう隙間を、素人でも簡単に塞ぐことができるのはとても助かりますね。

本物の粘土を使ったり、業者に依頼する事態になったりする前に、この記事を参考にしていただければ幸いです。