排水管が腐食する原因とは?兆候や引き起こされるトラブルを紹介
排水管は、経年劣化によって腐食する可能性がありますが、使い方が原因で腐食するケースもあり、防ぐためには使い方を知る必要があります。
この記事では、排水管の腐食の原因や兆候、放置した場合に引き起こされるトラブルについて紹介します。
排水管のためによかれと思ってしていたことがじつは腐食の原因だったという例もあるため、参考にしてください。
目次
排水管の腐食の原因
排水管の腐食には経年によるものから普段の使い方・素材によるものまでさまざまな原因があります。
ここでは、排水管の腐食の原因について詳しく紹介します。
素材別で違いのある経年劣化
排水管はどれも数年で腐食するような弱い素材ではありませんが、大切に使用していても経年劣化には勝てません。
1990~1995年以前に建築された建物の排水管(配水管用炭素鋼鋼管:約30年、鋳鉄管:35〜40年)は、すでに寿命がきていると考えましょう。
現在使用されている排水管の素材別の耐用年数は以下の通りです。
素材 | 耐用年数 | 特徴 |
---|---|---|
塩化ビニール管 | 20年〜25年 | VP管・HIVP管・HTVP管など種類がある |
ステンレス鋼管 | 30年〜40年 | 耐食性・耐熱性に優れる |
ポリエチレン管 | 30年〜40年 | 耐熱性もあり現在の主流 |
樹脂管 | 約30年 | 初期費用が高い |
亜鉛メッキ鋼管 | 15~20年 | 低コスト |
管の素材のみではなく、継手(接続部分の部品のこと)の劣化も含めた目安です。
せめて耐用年数までは使えるように、大切に使用しましょう。
洗面所に多い温度差
家庭内の排水管のなかでも、特に腐食しやすいのは洗面所の排水管です。
洗面所はお風呂場と隣接しているため気温や湿度が高くなりがちですが、排水管に冷たい水が流れると、結露が生じやすい場所です。
そのため、気温差による腐食を防ぐには、ときどき洗面所下の収納扉を開けて風通しをするなどの対策をしたほうがよいでしょう。
普段流しているものの性質
普段流しているものの性質によって、腐食が進む場合もあります。
それぞれの場所で以下のようなものが原因になります。
- 台所……料理の際の食材カスや油脂など
- 洗濯機・浴室・洗面所……洗剤カスや皮脂汚れ、髪の毛など
- トイレ……尿石の付着による詰まり
台所は油や熱湯など温度の高い液体を流すことがあると、金属といえど熱で傷んだ箇所に雑菌が溜まる場合があります。
また、浴室などで流しがちな髪の毛は排水管内の傷やこびり付いた汚れに引っかかって、他の汚れを集めます。
このようなダメージは長い時間をかけて蓄積し、いくら丈夫な素材とはいえゆっくりと腐食します。
使用している洗剤
排水管内を定期的に掃除しない場合、汚れで排水管の腐食が進む場合がある一方で、きちんと行っている定期的な掃除が腐食の原因となる場合もあります。
普段の掃除で使用をすすめたいのは金属を傷めない中性洗剤やバイオ洗剤です。
普段気にせずに使っていることが多い市販の洗剤のほとんどはアルカリ性や弱酸性で、汚れ落ちに対しては効果的ですが、金属に対してはダメージが蓄積場合もあります。
排水管に対しての洗剤を考える場合、排水管にダメージを与えない中性洗剤やバイオ洗剤がおすすめです。
株式会社スリーケーの『排水管洗浄液』は希少な土から取れたバイオの力で、下水道まで伸びる長い排水管のぬめりを効率よく分解します。
排水口から流すだけで、汚れの再付着も防げるためおすすめです。
メンテナンスが原因の場合
高圧洗浄機などのメンテナンスのせいで、逆に腐食が進んでしまう場合があります。
高圧洗浄機は通常の掃除では手の届かない排水管のなかをきれいにするために効果的ですが、管内の状態をよく観察・把握したうえで実施する必要のある方法です。
排水管の内部が腐食し傷などがある場合、そこに洗浄ノズルがあたる、または擦れるなどすることで、排水管が損傷する場合があります。
今はホームセンターなどで家庭用高圧洗浄機も販売されていますが、操作に慣れていないと排水管内部に腐食の原因になる傷をつけたり破損したりする可能性もあります。
高圧洗浄が自分でできるメリットはありますが、デメリットのほうが高くつく可能性があるため、高圧洗浄する際には無理をせず業者に依頼したほうがいいでしょう。
→排水管洗浄を自分で行うには?具体的な方法と理想の掃除頻度を解説
勾配がとれていない
勾配とは排水管の傾斜のことで、勾配が十分にとれていないと排水が排水管に滞留する原因となります。
上述したように、汚れによる雑菌の繁殖は管の腐食の原因の一つとなるため、正しい勾配でしっかり排水を行わなければいけません。
掃除をきちんとしているのに、後述するような排水管の腐食の兆候が見られるようであれば勾配不足の可能性があるため、業者に相談してみましょう。
排水管の腐食の兆候
排水管のすべてが目の届く場所にあるわけではないため、日常で使用しているなかで排水管の腐食の兆候を感じ取り、対策を講じる必要があります。
ここでは、排水管の腐食の兆候について紹介します。
水の流れが悪くなる
排水管の掃除をしてもすぐに詰まるなど、水の流れが悪くなる場合は排水管の腐食が疑われます。
排水管が詰まったときと排水管の腐食の場合は症状が同じであるため、まずは掃除をしたりパイプクリーナーを使用したりしてみて、詰まりを解消させましょう。
そのあと問題がないのであれば原因は単なる詰まりですが、直らずにすぐに流れが悪くなるようであれば排水管に原因があるということになります。
水漏れが起こるようになる
目の届く場所にある、洗面所や台所のような排水管の接続部分や腐食部分から、ぽたぽたと水が滴っている場合があります。
接続部分が緩んでいる場合もあるため、締めてみてそれでも水が滴る場合は腐食によるものかもしれません。
また、収納部分が通常以上に湿っている場合も水漏れしている可能性があります。
水漏れによる小さな変化に気付くのも、早い時点で対処するためには大切です。
→排水管が水漏れしたら業者に頼む?原因と応急処置の方法、予防法を紹介
赤い水が出てくる
金属の排水管が腐食すると、中が錆びて赤い水を排出するようになります。
中が錆びる可能性のある素材は亜鉛メッキ鋼管ですが、現在は給水管の素材として使用するのは禁止されています。
排水管からの排出のため健康に影響はありませんが、腐食が進んだ不衛生な水を流していることは許容してはならないでしょう。
排水管についているのは白錆
劣化した排水管に、白や緑色のカビや粉のようなものがついている場合、それはカビではなく錆かもしれません。
白く錆びている場合は表面が石灰化したもので、緑色に錆びている場合は緑青(ろくしょう)といって青く酸化したものです。
経年劣化で見られることが多いですが、このような錆が見られる場合は磨いてきれいにしたところで腐食が進んで弱くなっている可能性があります。
カビではなく、交換が必要な時期であることを認識しましょう。
排水管の腐食を放置するとどうなる?
排水によるトラブルは近所に迷惑をかけたり被害を大きくしたりする可能性があるため、放置することは大変危険です。
排水管の腐食を発見しながら放置した場合、どのようなトラブルが引き起こされるのかを紹介します。
大量に水漏れする
排水管の腐食による水漏れは、小さな水漏れの時点で対処しなかった場合、大きな水漏れを引き起こします。
大量の水漏れは、まず自宅の床材などを水浸しにするため、家自体の耐久性が損なわれます。
また、それがマンションの2階以上で起きた場合、階下の住民に被害がおよび、状況によっては賠償問題に発展する場合もあります。
気になる症状が大きくならないうちに、普段からよく確認しておきましょう。
悪臭が発生する
排水管が腐食すると水漏れの他に詰まりを引き起こす場合もあり、どちらも悪臭の原因となります。
水漏れは近所に悪臭という迷惑をかけたり、害虫などを引き寄せたりと、二次的な被害につながる可能性もあります。
悪臭に関しては排水管の腐食がなくても注意しなければいけない点として、放置せずに早めに対処する必要があるでしょう。
排水管が詰まる
排水管が腐食すると、そのままではいつまでも排水がうまくいきません。
何度掃除をしても、排水管の腐食がすすんでいる場合は詰まりが解消されないため、業者に依頼して新しい排水管に交換することになります。
→排水管の交換にかかる費用はいくら?交換が必要なケースの解説と修理費用を抑えるコツ
排水管が詰まるということは、例え掃除で詰まりが解決できたとしても、使用方法に改善の必要があるか、排水管に放置できない問題が起きているかのどちらかです。
まとめ
排水管が腐食しないように大切に使用していても、寿命はいつか訪れます。
そして、例え排水管が新しく、腐食しにくい素材のものだとしても、詰まらせない努力は必要です。
株式会社スリーケーの『排水管洗浄液』は、手の届かない排水管を家庭の排水口から公共下水の手前まで、バイオの力できれいに掃除します。
排水口から流すだけの手軽なメンテナンスで、排水管をできるだけ長く使用しましょう。