浄化槽でも使える洗濯槽クリーナーとは?使用頻度や汚れの軽減法を紹介

浄化槽は微生物の働きによって生活排水や汚水を浄化しています。
微生物が棲みやすい浄化槽にするためには、水周りで使用する洗剤や薬剤の成分に気を配らなければいけません。洗濯槽クリーナーもそのうちの一つです。
この記事では、浄化槽に対して使用できる洗濯槽クリーナーの成分や使用頻度・他の対策、洗濯槽の汚れを軽減するポイントなどを紹介します。
浄化槽と洗濯槽、どちらも快適に使用するためのヒントにしてください。
目次
浄化槽と洗濯槽クリーナーの関係性
浄化槽を使用する家庭では、機能低下を起こさないよう排水に注意する必要があります。
洗濯槽クリーナーを使用する際もその成分や働きをしっかり吟味して選ばなければいけません。
ここでは、浄化槽と洗濯槽クリーナーとの関係性について紹介します。
洗濯槽クリーナーは微生物に影響のないものを選ぶ
浄化槽は微生物という生き物の力を借りて稼働しているため、微生物に悪影響のない洗剤や浄化槽クリーナーを使用しなければいけません。
微生物が弱るような成分を遠慮なく大量に使用してしまうと、微生物が死滅したり弱ったりするため、浄化槽の機能が低下します。
すると悪臭が発生したり、浄化されない処理水を河川に放流することになってしまいます。
→浄化槽のバクテリアの補充方法は?不足して起こる問題や予防法を紹介
浄化槽と塩素は相性が悪い
浄化槽で活躍する微生物は菌のため、殺菌作用が強い洗剤や薬剤が苦手です。
排水口の掃除の際や白い衣類を洗濯する場合によく使われる塩素系の洗剤や漂白剤は、殺菌作用が非常に強力です。
一般家庭で使用する量を流す程度では大きな影響にはなりませんが、使い過ぎると微生物の働きが低下します。
このような理由から、浄化槽を使用している家庭では普段からなるべく塩素系洗剤を避けた方がいいでしょう。
→浄化槽に使える洗剤と使えない洗剤とは?バイオを強化する方法を解説
洗濯槽の汚れの性質
洗濯槽の汚れの主な原因は黒カビや雑菌によるバイオフィルムです。
洗濯槽は、洗濯物についている皮脂やタンパク質・溶け残った洗剤などの栄養が豊富であるため、湿気や有機物を好む黒カビ・雑菌にとって絶好の環境です。
黒カビは素材に深く根を張る菌であり、死滅させることができても黒い色素が残ってしまうことが多くあります。
洗濯槽に黒カビが発生すると洗濯物に付いてしまうため、殺菌を伴う定期的な掃除が必要です。
→洗濯機の臭い取りってどうやるの?臭いの原因や対処法と予防法5つを紹介
洗濯槽クリーナーの種類と使い方
洗濯槽クリーナーは、除菌・殺菌効果のある成分で汚れを落とす洗濯槽専用の洗剤です。
ここでは、洗濯槽クリーナーの種類と使用頻度について紹介します。
塩素系と酸素系の2種類がある
洗濯槽クリーナーには塩素系と酸素系の2種類があります。
塩素系と酸素系、それぞれの特徴は以下の通りです。
塩素系 |
|
酸素系 |
※汚れが剥がれ落ちて浮くため取り除く必要がある |
どちらも主成分の黒カビに対して除菌・殺菌力がありますが、浄化槽に使う場合は微生物に悪影響があるため、殺菌力が強い塩素系は避けた方がいいでしょう。
また、酸素系のクリーナーが使用できない洗濯機があるため、酸素系のクリーナーを使用する場合は洗濯機の仕様を確認しましょう。
洗濯槽クリーナーの使用頻度
洗濯槽クリーナーの使用頻度は、浄化槽使用の場合は3ヶ月に1回程度が効果的です。
一般的には1~2ヶ月に1回といわれていますが、除菌・殺菌の効果が微生物に与える影響を考えると、浄化槽を使用している場合は使用頻度を抑えた方がいいでしょう。
黒カビは高温多湿を好むため、温度が高くなる夏は若干頻度を上げるのもおすすめです。
洗濯機の『槽洗浄コース』で洗う
使用している洗濯機に槽洗浄コースがある場合、洗濯槽クリーナーを使用して槽洗浄を行いましょう。
槽洗浄コースでは、浸け置き洗いが有効な洗濯槽のために、時間をかけてゆっくりと槽を洗浄します。
2~3時間で完了する短時間コースと、5~11時間かけて徹底的に洗浄する長時間コースがあります。
定期的に行う洗濯槽の洗浄の際に使用すると効果的です。
浄化槽でも使える洗濯槽クリーナー
浄化槽を使用している場合におすすめする洗濯槽クリーナーについて紹介します。
洗濯槽クリーナー以外の対処法もあるため、参考にしてください。
浄化槽には塩素系より酸素系
塩素系と酸素系の、両方の成分について上で紹介しましたが、浄化槽を使用している場合は酸素系の洗濯槽クリーナーがおすすめです。
塩素系の洗濯槽クリーナーは、その使用を前提として設計されている洗濯機が多くみられるほど、洗濯槽の洗浄洗剤として推奨されています。
しかし、その強力な殺菌効果は微生物を弱らせる危険性があります。
それに比べると酸素系は、洗浄力が若干劣るとはいえ微生物への影響が少なく済みます。
過剰に使用せず適量を守り、なおかつ多めの水ですすぎ洗いをして使用すると、より微生物に優しいでしょう。
塩素系には中和剤『ハイポ』を利用する
浄化槽を使用しているけれど酸素系の洗濯槽クリーナーが使用できない洗濯機である場合は、塩素系を中和するハイポを使用すると微生物への影響を抑えられます。
ハイポとは『カルキ抜き』とも呼ばれている、観賞魚の水槽に使用する水道水に溶かす中和剤で、観賞魚を取り扱っているホームセンターなどで購入可能です。
洗濯槽洗浄の場合は排水前に投入しますが、使用方法・容量については取り扱い説明の指示に従ってください。濃度調整がしやすい結晶タイプがおすすめです。
普段からできる洗濯槽の汚れ・黒カビ対策
以下のような方法で、洗濯槽に黒カビが付かないように普段から対策できます。
- 洗濯中以外は蓋を開けて中を乾燥させる
- 洗濯機を洗濯カゴ代わりにして洗濯物を溜めない
- 洗剤を入れ過ぎない
- 洗濯が終わったら時間を置かずすぐに干す
- 洗濯槽クリーナーで定期的に洗浄する
黒カビが繁殖しやすくなるため、洗濯槽内に湿気が籠らないよう心がけましょう。
洗濯槽クリーナーを使用する際の注意点
洗濯槽クリーナーを使用する際の注意点を紹介します。
健康被害に及ぶ注意点もあるため、参考にしてください。
塩素系と酸素系は時間を空けて使用する
塩素系と酸素系は混ぜると有毒なガスが発生して危険であるため、両方とも使用する場合は混ざらないように、片方を使用したらしっかり洗い流してからもう片方を使用しましょう。
順番としては、先に酸素系クリーナーで汚れを剥がししっかり洗い流したあと、塩素系クリーナーで残った汚れを分解する方法がおすすめです。
浄化槽を使用している場合は、1日に2回クリーナーを使用すると微生物に悪影響があるため、1週間程度は日にちをずらして行うのがいいでしょう。
洗濯機によって使用できない・おすすめしない成分がある
効果があるとされる成分を試す場合、使用している洗濯機の取扱説明書を事前によく読んで、その成分が使用可能かどうかを確認してください。
酸素系クリーナーを使用できない洗濯機があることはすでに紹介しましたが、他にも、例えば重曹は、水に溶けにくく洗濯槽内でダマになって残る可能性があるため、洗濯槽の洗浄にはおすすめしません。
プロの技術の分解洗浄も選択肢の一つ
洗濯機を分解して徹底的に洗浄する『分解洗浄』をプロに依頼するなら、1~3年に一度程度の頻度がおすすめです。
「洗濯槽クリーナーでは汚れが落ちた気がしない」「しばらく洗濯槽を洗っていないから落ちないかも」など、洗濯槽の汚れ落ちが心配である人もいるでしょう。
黒カビは根強いため、費用をかけたプロの洗浄技術によって一度キレイにしてもらうのもいいかもしれません。
まとめ
浄化槽を使用している場合におすすめの洗濯槽クリーナーは酸素系ですが、塩素系でも使用方法を守れば問題ないと謳っている商品は多いです。
それでも微生物のことを考えたら、事情があって塩素系しか使用できないという場合以外では、なるべく酸素系クリーナーを使用した方がいいでしょう。
洗濯機の臭いが気になって洗濯槽クリーナーを使用してみたのに解決しない場合は、排水口に原因があるかもしれません。
株式会社スリーケーの『排水管洗浄液』は、排水口から流すだけで、バイオの力で浄化槽までの排水管をキレイに保ち、汚れの再付着も防ぎます。
もしも浄化槽の臭いが気になる場合は『浄化槽・汲み取りトイレ消臭剤』で解決できます。
浄化槽の機能活性の効果があるため、毎月1袋、特に浄化槽の清掃を行った時に入れたり、微生物が弱ったり、臭いが気になる際に入れていただくと、槽内の微生物の働きを助けると共に消臭効果が得られます。
どちらも微生物の活動によって機能している浄化槽と相性のよい、地球にやさしい商品です。
『浄化槽・汲み取りトイレ消臭剤』はこちら、『排水管洗浄液』はこちらでご確認ください。