浄化槽に使える洗剤と使えない洗剤とは?バイオを強化する方法を解説
トイレ掃除や浴室を掃除するとき、使用する洗剤によって浄化槽に悪影響を与えることをご存知でしょうか?
浄化槽は、排水をキレイにしてくれるということは何となく理解していても、実際にどのような仕組みになっているか知らない方もいらっしゃるかと思います。
本記事では浄化槽の仕組みを説明し、トイレ・キッチン・浴室の掃除や、洗濯などで使用するべき洗剤の種類などについて解説します。
目次
浄化槽の仕組み
浄化槽には大きく分けて、単独浄化槽と合併浄化槽の2種類が存在します。
日本では2001年4月以降の単独浄化槽の新設が禁止されているので、昨今では浄化槽と呼ぶ場合、合併浄化槽を指すのが一般的です。
合併処理浄化槽とは、トイレの汚水だけではなく、台所やお風呂などの生活排水も一緒に処理することができる浄化槽です。
開発された初期の頃は浄化槽の容量が大きく、設置には大きな敷地が必要なので設置場所が限られてしまっていました。
現在では、小型化しているものも多い反面、機構が複雑化しています。生ゴミを粉々に砕いて浄化する便利な浄化槽なども開発されている昨今です。
排水口に流れていった生活排水が嫌気ろ床槽に入り、槽の中で沈んでいく固形物と浮かぶ固形物に分けられ、ろ材の表面に付いた嫌気性微生物により有機物が分解。さらに、もうひとつの嫌気ろ床層を通って同じ処理が繰り返された後、接触ばっ気槽に入ります。ここで、水は空気で撹拌(かくはん)されながら、好気性微生物によりさらに処理されます。
その後、消毒槽からきれいな処理済みの水が排出されていくのです。
送風機は、好気性微生物に酸素を送り込む役目を果たしており、送風機の故障によって好気性微生物が酸欠で死滅し悪臭が発生することがあります。
浄化槽から臭いが出る原因
浄化槽から臭いが出る原因はさまざまでありますが、主な原因は浄化槽の中の微生物が働いていない状態であるということです。
前述の送風機の故障など、機械トラブルによるものもありますが、使用している洗剤などによって、浄化槽内の微生物を殺菌してしまっている場合もあるのです。
また、冬場の寒い時期には、微生物の働きが弱まりますので、冬場は浄化槽が臭くなってしまうという声も少なくありません。
対策としては、浄化槽の中の微生物が常に元気な状態になるように心がけましょう。
浄化槽の微生物を弱らせる原因
合併浄化槽には、ご自宅から出る生活排水のほぼ全てが流れていくので日々の生活で心がけることがあります。
トイレにはトイレットペーパー以外を流さない
JIS規格のトイレットペーパー以外は流さないようにしましょう。
おむつやタバコの吸殻などはもちろん、トイレを拭き掃除してそのまま流せるタオルペーパーなども可能な限り流さないようにしましょう。
浄化槽内の微生物に悪影響を与える可能性があり、その他では配管が詰まってしまったり、浄化槽内の装置異常の原因になることもあります。
キッチンには油やゴミを流さない
浄化槽の微生物は大量の油を分解することはできない上、油汚れを流すことは悪臭の原因になり、大量の油を流すことで油が冷えて固まり配管を詰まらせたり浄化槽内の装置異常の原因になります。
使用済みの天ぷら油などを流すことは絶対に避けましょう。また、調理器具をキッチンで洗う際にもなるべく油汚れをペーパーで拭き取り、燃えるゴミに捨てるなどをして油を流さないように心がけてください。
調理の際に出る調理くずや食べカスなども、ゴミ受けネットなどを使用して、極力流さないようにしましょう。
生ゴミも配管のつまりや浄化槽にかかる負担を増やし、処理能力を著しく低下させる原因になります。
洗剤は適量を使用する
水回りの清掃を行う際に使用する洗剤の量は、適量を使用しましょう。
余分に使用した洗剤は、浄化槽にとって負荷となり、汚れの原因になってしまいます。
多く洗剤を使用してしまった場合には、拭きとって浄化槽に流さないようにしましょう。また、次亜塩素酸ナトリウムなどの「塩素系洗剤」は強力な殺菌作用があるため、浄化槽の微生物を殺菌してしまう恐れがあります。
もしも次亜塩素酸ナトリウムを使用する際は、多めの水と一緒に洗い流すようにしましょう。
大量の水を一度に流さない
キッチンで洗い物をする時、同時に浴槽の水を抜くなどをすると浄化槽に一気に大量の水が流れ込むことになります。
一気に流してしまうことで、浄化槽内で処理しきれていない水が流れてしまったり、浄化槽にかかる負担を増やしてしまいます。
浄化槽の大きさによっては、ひとつの浴槽の水を抜く時には二回にわけて排水するなどの工夫も必要になります。
浄化槽に使用する洗剤について
浄化槽を使用しているご家庭では、塩素系洗剤を使用する際に注意が必要です。
塩素系洗剤は、漂白作用や殺菌作用がとても強力な分、そのまま流してしまうと浄化槽の微生物も殺菌してしまい、悪臭の発生に繋がります。
特に、微生物の働きが低下する冬場には、用法容量を守り、多量に使用し過ぎないよう注意してください。
水回りの箇所によって使い分ける洗剤について解説していきます。
洗濯に使用する洗剤
洗濯に使用する洗剤は、できれば中性洗剤が向いています。
酸素系洗剤の使用は、浄化槽の微生物へ影響がある可能性があるためなるべく控えた方が良いです。
かといって酸素系洗剤の使用は絶対に避けるべきなのかと言えば、適量であれば問題なることは少ないです。ただし、どちらの洗剤を使用するにしろ、洗剤の表示の適量を必ず守ってください。
余分な洗剤は浄化槽の働きを低下させてしまうことを覚えておきましょう。
トイレに使用する洗剤
トイレ用の洗剤については、塩素系、酸素系、中性の3種類で「浄化槽対応」の表示があるものが販売されています。
使用する際には、必ず洗剤の表示の適量を守るようにしましょう。
出来る限り洗剤を使用しないためには、消毒用アルコールをトイレットペーパーに染み込ませて拭き掃除をすることで便器の黄ばみを取ることができます。
また、便器の尿石や水垢についてはクエン酸の水や粉末を使用してトイレ用ブラシでこすることでキレイになります。
塩素系洗剤を用いる必要性が出てしまう前に、定期的に掃除を行うことが浄化槽の正常化に繋がります。
キッチンに使用する洗剤
キッチンの油汚れや焦げ付き汚れについては、酸素系の洗剤が向いています。もちろん、洗剤を大量に使用せず、使用量は最小限にしましょう。
酸素系洗剤として最近よく売られているナチュラル洗剤は、環境や人体への負荷が少なく、用法容量を守れば浄化槽への負荷も少なくなります。
界面活性剤や次亜塩素酸ナトリウムなどが使用されておらず、過炭酸ナトリウムが主成分です。また、調理器具に付着した油汚れなどはキッチンペーパーなどで拭き取り、燃えるゴミに捨てることによって浄化槽の負担を無くします。
キッチンでは、食器などに付着している食べカスなどもなるべく排水口に流さず、ゴミ受けネットなどを活用して極力ゴミが排水口に流れてしまわないように心がけましょう。
浴室に使用する洗剤
浴室の掃除には中性か酸素系洗剤を使用しましょう。
浴室の場合はカビが生えやすいので、ついつい塩素系洗剤を使いたくなりますが、消毒用アルコールを吹き付けることでカビの発生を防ぐことができます。
もしも今すぐカビを掃除したい場合は、適量のカビ取り剤を使用して掃除しましょう。その後は、一ヶ月に1〜2回程度、カビが生えそうな箇所にアルコールを吹きかけましょう。
また、浴室で使用するシャンプーや石鹸・ボディーソープについては適量を使用しましょう。使いすぎなければ問題ありません。
気をつける点として、入浴剤に硫黄などの温泉成分が配合されているものは使用しないでください。
浄化槽に使用する洗剤
排水管洗浄液
株式会社スリーケーの開発した「排水管洗浄液」にはバイオと酵素が含有されており、排水口から流すだけで排水管内のヌメリを効率よく分解し、臭気やつまりを改善します。
また、化学薬品は一切使用していませんので浄化槽にとても優しく、浄化槽内の微生物を活性化することにも繋がります。
家の中にある排水管の中には、悪臭の原因が常に潜んでいるのですが、そういった悪臭の原因をねこそぎ剥がし、流してくれます。
やむなく強力な洗剤を使用する機会があったとしても、減ってしまった微生物を正常化することにより悪臭が発生しにくくなります。
使用方法は週に一度、排水管洗浄液を排水口から流し込むだけ。
排水管の奥にこびりついている汚れも根こそぎ剥がして流してくれるので、浄化槽に負担をかけてしまうような強力な洗剤を使用する必要もなくなります。
浄化槽汲み取りトイレ消臭剤
浄化槽の臭いにお困りの場合、こちらの浄化槽専用の消臭剤もおすすめです。
浄化槽内の消臭効果が得られると共に、浄化槽本来の機能を助ける補助剤としても活躍します。
汲み取り直後の浄化槽へ1袋投入するだけで、約1ヶ月効果の持続が見込めます。トイレから流すだけで良いので使い方も簡単です。
浄化槽には基本的に土壌中の微生物が仕込んであります。スリーケーの浄化槽汲み取りトイレ消臭剤も、土壌中の微生物を原料としているため、非常に相性が良く浄化槽に負荷を与えません。
まとめ
昨今の浄化槽は合併浄化槽なので、生活排水が全て浄化槽に流れ込んでいきます。
浄化槽に流れこんできた汚水内の有機物を微生物が食べて分解し、水質を浄化しています。
この微生物が弱ってしまうと悪臭が発生します。冬場は微生物の活動が低下するので、悪臭が発生しやすくなります。また、送風機(ブロワーとも呼ばれます)の故障は悪臭に直結しますので、常に動いている状態を保ちましょう。旅行に出かける際にも送風機の電源は切らないでください。
浄化槽の微生物の働きを弱めてしまうのは、大量に水を流したり、大量の洗剤を使用したりすることです。
特に、水回りの掃除には塩素系洗剤はなるべく避けましょう。箇所によって酸素系洗剤や、中性洗剤を使い分けてください。
排水管の掃除には洗剤を使用するので、強力な洗剤を使用しなくても良いように、日頃から株式会社スリーケーが開発した「排水管洗浄液」の使用をオススメしています。
また、浄化槽内の消臭には「浄化槽汲み取りトイレ消臭剤」をオススメしています。
これらの商品は、約10年に渡って大学との共同研究で浄化槽に悪影響を与えないどころか、活性化に繋がるという結果を得られているため安心して使用できます。