浄化槽のバクテリアの補充方法は?不足して起こる問題や予防法を紹介
浄化槽のバクテリア(微生物)が弱ったり死滅したりすると浄化機能が低下するため、悪臭が発生します。
そのような場合は、バクテリアを補充する方法で解決する場合があります。
この記事では、浄化槽のバクテリアの補充方法や、バクテリアが不足すると起こる問題、バクテリアを弱らせない予防法などを紹介します。
逆に増えすぎた場合の問題や対処法も紹介するため、参考にしてください。
目次
浄化槽のバクテリアが弱る・死滅する原因
浄化槽で働くバクテリアはとてもデリケートな生き物であり、弱るような環境下では数の減少につながります。
浄化槽の機能を支えるバクテリアが、弱ったり死滅したりする原因を紹介します。
浄化槽の新設や復帰後・清掃後
浄化槽は以下のような場合、バクテリアの数が十分ではないため浄化処理能力が安定せず、臭いがしやすくなります。
- 新築やリフォームによる、浄化槽の新設後
- 定期清掃後
- 休止していた浄化槽の再開時
浄化槽は長期にわたって休止する際、清掃後に浄化槽内に水を張り、ブロアーを停止します。
休止から再開の際は新設の浄化槽や定期清掃後とほぼ同様に、バクテリアが減少している状態です。
そしてどの場合も、バクテリアが十分繁殖して浄化槽の機能が十分に働くまで、3ヶ月~半年程度は時間がかかります。
ブロアーが故障などで停止
ブロアーが故障やコンセントが抜けるなどで停止していた場合、酸素不足によって浄化槽のバクテリアが死滅する場合があります。
ブロアーが停止してからも1~2日程度は溶存酸素(水中に溶けている酸素)がありますが、それ以上停止した場合はバクテリアが死滅し、槽内では汚物の腐敗が始まります。
ブロアーには酸素供給のほかにも、浄化槽内の汚泥や水の移送・返送を行う役割がありますが、ブロアーが止まるとそれが滞り、流れが悪くなって詰まりを引き起こします。
そのまま再稼働すると強い悪臭が生じるため、清掃が必要です。
清掃後の再稼働のため、浄化槽の機能が安定するまでは新設や清掃後同様、バクテリアの数が十分に増えるまでには時間がかかります。
→浄化槽ブロアの故障をそのままにしてはいけない理由とは?対処法を紹介
バクテリアの苦手なものを大量に流す
バクテリアは以下のようなものが苦手であるため、大量に流すと働きが弱ったり、場合によっては死滅したりします。
- 油
- 大量の洗剤
- 大量の漂白剤
- 食材などのゴミ
- たばこの吸い殻・廃液など
ほかに「トイレに流せます」とあるものでも、浄化槽に流すのはおすすめしません。
生活している以上、これらのものをまったく流さないことは不可能といえますが、毎日のように流す・大量に流す・一度に流すなどすることはバクテリアの働きに悪影響を与える可能性が高まります。
→浄化槽に使える洗剤と使えない洗剤とは?バイオを強化する方法を解説
→シンクに油を流してしまった!浄化槽に油を流してはいけない理由と対処法
使用者の抗生物質の服用
浄化槽を使用している人が病気の治療で抗生物質を服用していると、排尿によって薬の成分が浄化槽に流れ込み、バクテリアに影響を及ぼすことがあります。
糖尿病患者の尿は糖や代謝物などの有機物が含まれるため、浄化槽の機能に影響があるとされていました。
しかしそれは単独浄化槽が多かった時代にいわれていたことで、合併浄化槽に関してはそれらに大きな影響はないとされています。
浄化槽に影響があるとされている抗生物質は排出される尿に含まれ、バクテリアを死滅させることがあるため、継続的に服用する場合は処理を別にするなどの対策が必要です。
水温が高すぎる・低すぎる
浄化槽のバクテリアが活発に活動するためには15~30℃が適温であり、高すぎたり低すぎたりすると働きが弱ったり数が減少したりする場合があります。
バクテリアは水に溶けた酸素を利用しますが、水温が高すぎると酸素が水に溶けにくくなるため、供給する酸素量を増やさなければいけません。
逆に水温が低すぎるとバクテリアの活性は下がるため、ブロアーの空気温度を上げる、ヒーターを入れるなどで水温を保つ必要があります。
季節の変わり目に臭いがする場合は水温によってバクテリアが弱っている可能性があるため、適切な温度管理が必要です。
浄化槽の微生物を増やす・補充する方法
浄化槽のバクテリアが減少・死滅した場合に、補充する方法を紹介します。
浄化槽のバクテリアの働きが弱って臭いが強くなったときなどに自分で補充することもできるため、参考にしてください。
シーディング剤
シーディング剤は、微生物や酵母を乾燥させたもので、新設時や機能低下した際などの浄化槽に投入して、強制的にバクテリアの種付けをします。
新設時や必要と判断された際は業者が保守点検時にシーディングを行います。
規模が大きなホームセンターで入手可能で、通常の維持管理では便器から投入し、浄化槽からの臭いが気になる場合にマンホールから投入するなど、自分で対応することも可能です。
粉末状や液体、パック状のものをそのまま袋を破らずに投入するタイプなど、さまざまな種類が揃っています。
新設時や再開時・清掃後などに臭う場合は、シーディング剤でバクテリアを補充して様子をみましょう。
ブロアーを見直す
ブロアーの性能が現状に合っていない、または不調や酸素供給不足の場合、バクテリアが酸欠状態を引き起こして弱ったり減少したりする可能性があります。
浄化槽内の溶存酸素(DO)不足が心配される場合、以下を確認してみましょう。
- ブロアーの容量や増設の検討
- 設置して10年以上経っていれば買い替え時
- メーカーごとの性能の違い
浄化槽の耐用年数は半永久的といわれていますが、ブロアーは約7年前後と短いため、寿命のせいで酸素供給が低下しているなら交換が必要です。
しかしコストがかかることになるため、点検時など業者と相談しながらの見極めが肝心です。
浄化槽のバクテリアを減らさないために
バクテリアが不足する場合は、シーディング剤などで補充できますが、補充しなくて済むように使用するのが一番いい方法です。
浄化槽内のバクテリアを死滅や減少から守る方法を紹介します。
適切な維持管理
バクテリアの働きを安定させるには、浄化槽の適切な維持管理が一番大切です。
定期的な清掃・点検・検査を基本としたうえで、以下を守って浄化槽を管理しましょう。
→浄化槽の点検回数は何回?点検と検査の違いは?正しい頻度で浄化槽を大切に
- 食材カスや油を流さない
- 洗剤・漂白剤を使い過ぎない
- 浴槽のお湯は冷ましてから流す
- トイレはトイレットペーパー以外は流さない
- 同じ時間帯に一気に排水しない
- 長期の留守でもブロアーの電源は切らない
浄化槽を普段から大切にして嫌なことはせず、定期的に体調管理をするように扱うことで、バクテリアの死滅や減少を防ぐことができます。
漂白剤を使わなくてもいい洗浄液を使用する
浄化槽を使用している場合、塩素系の漂白剤や洗剤を大量に使用すると、バクテリアが死滅したり弱ったりして機能低下する危険性があります。
排水口にぬめりが発生した場合などに、少量の漂白剤を使用するのは問題ありませんが、洗濯や食器洗い・普段の掃除などはできれば中性洗剤の使用が向いています。
また、バイオ洗剤はバクテリアに悪影響を及ぼすことがなく、浄化槽のバクテリアの働きを助けるためおすすめです。
株式会社スリーケーの『排水管洗浄液』は、排水口から流すだけで、排水口から下水道に続く長い排水管を、バイオの力できれいに保つことができ、浄化槽のご家庭でも使用できます。
普段の維持管理に酵素剤を使用する
浄化槽の機能回復には、バクテリアが栄養を取り込む際に必要な酵素を含んだ『酵素剤』と呼ばれるものが効果的です。
株式会社スリーケーの『浄化槽・汲み取りトイレ消臭剤』は、有用微生物や生成酵素を成分とする消臭剤で、浄化槽内のバクテリアの働きを助ける働きもあるためおすすめです。
バクテリアが増えすぎた場合
バクテリアが増えすぎると、分解の妨げになったり水の流れが悪くなったりと、バクテリアが足りない場合とはまた違った形でトラブルを招きます。
増えすぎたバクテリアがろ材に溜まった場合、重量によって負荷がかかり、内部の構造が破損する場合があります。
ろ材から空気の力で強制的にバクテリアを剥離させるのはブロアーの役目ですが、取り除く作業が必要であるため、維持管理である清掃が重要です。
まとめ
浄化槽のバクテリアは、さまざまな原因で減少したり死滅したりしてしまいますが、補充したり活性化したりすることで、浄化槽の機能を取り戻せます。
株式会社スリーケーの『排水管洗浄液』と『浄化槽・汲み取りトイレ消臭剤』を組み合わせて使用すると、以下の3つの効果が期待できます。
- きれいな排水口と排水管
- 安心な洗浄剤の使用
- バクテリアの維持管理
浄化槽内をバクテリアにとって居心地のいいものに整えて、快適な使用を維持しましょう。
『排水管洗浄液』はこちら、『浄化槽・汲み取りトイレ消臭剤』はこちらをご覧ください。