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浄化槽の耐用年数とは?耐久年数との違いや長寿命化のメリットを紹介

浄化槽 耐用年数

一般家庭で浄化槽を使用している場合、いつまで安全に稼働できるのか、交換時はいつなのかを考える際に、寿命としての『耐用年数』の把握が必要です。

また、会社が浄化槽を使用している場合、浄化槽を経費として計上する際にも『耐用年数』という言葉が登場しますが、全く別のものです。

この記事では、浄化槽の耐用年数について、大切に使用することで得られるメリットなどを紹介します。

末永く使用するための参考にしてください。

浄化槽の耐用年数(寿命)

浄化槽 耐用年数

浄化槽の耐用年数、いわゆる寿命を把握しておくことは、浄化槽の交換時期やメンテナンスなどを計画する上で、とても重要です。

ここでは、一般的に約20~30年といわれている浄化槽の寿命について紹介します。

浄化槽と構成部品の寿命

一般的な浄化槽の寿命は上述したとおりに知られていますが、浄化槽には本体を含め以下のような構成部品があり、そのそれぞれにも寿命があります。

  • 浄化槽本体……20~30年
  • ブロア……5~10年
  • 水中ポンプ……7~10年
  • マンホール(樹脂・鉄など)……交換周期が約20年

ブロアや水中ポンプなどがないと浄化槽は正常に稼働しないため、浄化槽よりも寿命の短い構成部品に関しては、浄化槽の寿命に関係なくメンテナンスや交換が必要です。

一概に「浄化槽の寿命」といっても、点検なしで問題なく稼働し続けるわけではないことを覚えておきましょう。

浄化槽の寿命の実際

浄化槽の寿命は20~30年と紹介しましたが、環境省は平成14年3月に以下のような発表をしています。

「設置後30年以上経過しても十分使用に耐えていることが明らかとなった。この結果、浄化槽の躯体部分については、実際の使用年数として30年以上を採用しうるものと結論付けた。」
※引用:生活排水処理施設整備計画策定マニュアル

1966年に工場で生産された浄化槽第一号は、2012年の時点で使用実績が47年を迎えています。

浄化槽の寿命は一般的には20~30年といわれていますが、調査による稼働実績をみると、それ以上の耐久性が期待できるでしょう。

浄化槽の耐用年数を長くするには

保守点検や法定検査を正しい頻度で受けることは、浄化槽の稼働状況の把握につながります。

浄化槽が寿命を迎えた場合や急な故障による交換には、高額な費用と、工期中は使用できない期間が生じます。

突然そのような事態に見舞われることがないよう、普段から正しいメンテナンスを行うことが、浄化槽の寿命を延ばします。

浄化槽を長持ちさせる方法は以下です。浄化槽を少しでも長く使用するための参考にしてください。

清掃・保守点検・法定検査を受ける

浄化槽には『清掃』『保守点検』『法定検査』の3つが義務付けられていますが、これらは浄化槽の立派なメンテナンスとなるため、適切に行いましょう。

それぞれの実施頻度は以下です。

  • 清掃……年1回以上
  • 保守点検……一般家庭(合併処理浄化槽・使用人数20人以下)の場合、4ヶ月に1回
  • 法定検査……年1回

法定検査の際には清掃記録票及び保守点検記録表が必要で、発行者は浄化槽管理者および保守点検業者のみです。

適切な頻度でこれら3つの義務を果たすことが、浄化槽の長い安定稼働を実現します。

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油や異物を流さない

浄化槽に棲む微生物が分解しにくいものを流さないようにしましょう。

微生物は油分の分解が苦手であり、ティッシュペーパーやビニールなど分解できないものを流すことなどが、浄化槽を機能低下させる要因となり、稼働に負荷がかかります。

微生物の処理能力を超えるものを流すことはやめましょう。

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使用する洗剤を選ぶ

浄化槽内の微生物に悪い影響を与えない洗剤を選んで使用しましょう。

塩素系漂白剤など強い殺菌作用がある薬剤は、そのまま大量に流してしまうと浄化槽内の微生物を弱らせてしまい、浄化槽の機能が低下します。

使用が必要な場合は多めの水と一緒に流すなど工夫して、微生物にとって居心地のよい浄化槽を目指しましょう。

株式会社スリーケーの『排水管洗浄液』がおすすめです。

浄化槽に使える洗剤と使えない洗剤とは?バイオを強化する方法を解説

適切な容量の浄化槽を使用する

使用する人数に対して容量の足りない浄化槽を使用していると、浄化槽の処理能力を超えてしまい、負担が増えてしまいます。

浴室を使用しているときは洗濯をしない・浴槽の水を排水する際は2回に分けるなど、大量の水を使用する時間帯を避けることも対策になります。

小さな日々の工夫が浄化槽の寿命を延ばすことにも、縮めることにもつながるため、工夫しましょう。

異常を放置しない

不具合がある状態を放置して稼働していると、浄化槽に負担がかかるため、寿命が短くなる要因となります。

寿命が近づくと故障も多くなります。突然稼働停止する可能性もあり、数日にわたって使用できなくなる可能性もあります。

異音がする、悪臭がするなどの異常を感じた場合は放置せずにすみやかに業者に相談し、修理を早めに行いましょう。

法定耐用年数

浄化槽 耐用年数

浄化槽は一般家庭だけではなく、会社経営上必要な排水設備として設置されているケースがあります。

会計処理で『減価償却費』の計算をする際にも『耐用年数』という言葉が登場しますが、寿命としての耐用年数とは違いがあります。

浄化槽の耐用年数と寿命の違いは以下です。

  • 耐用年数……購入時の価値が0になるまでの期間で、浄化槽の停止とは関係ない
  • 寿命……耐久年数。浄化槽が経年劣化による故障で停止するまでの期間のこと

固定資産などを会社で使用する場合の費用計算に用いる耐用年数は『法定耐用年数』といい、浄化槽に関しては15年と定められています。

一方、寿命としての『耐用年数』は購入価格や性能の低下などに関わらず、一般的に稼働が可能と思われる年数のことです。

混同しやすいですが、使用状況・状態としては全く別であるため、注意しましょう。

浄化槽の長寿命化のメリット

浄化槽 耐用年数

浄化槽を正しくメンテナンスして長く使い続けようという『浄化槽長寿命化計画』という事業が市区町村で推進されています。

寿命20~30年といわれる浄化槽をもっと長く使うメリットを紹介します。

入れ替え費用が抑えられる

浄化槽の入れ替え費用は高額であるため、浄化槽を大切に使用し長く使うことは、入れ替え費用を抑えることにつながります。

浄化槽の入れ替えには補助金が出るケースが多いですが、手続きが遅れたり申込みに不備があったりと、思うように予定が立てられない場合があります。

浄化槽にかかる費用は補助金が出る?用途や申請について詳しく解説

浄化槽交換には5人槽程度でも80~100万円という大きな金額が動くため、できれば浄化槽の交換は避けたいところでしょう。

浄化槽の使用方法を改善することで、一般的にいわれている寿命よりも長い使用が期待できます。

住宅と一緒に売買できる

浄化槽付きの住宅は売却が難しい・安く買い叩かれるなどの心配をする人が少なくないといわれていますが、下水道が普及していない地域の住宅には、浄化槽が必要です。

買主との協議にもよりますが、もし売却後も引き続き使用できる状態であれば、少しでもいい条件での売買につなげられるかもしれません。

普段からしっかりメンテナンスを行い、無理な稼働をしないよう配慮し、できるだけ良い状態で引き渡すのがいいでしょう。

浄化槽は維持管理がしやすい

浄化槽のメンテナンスは、定期的に行う清掃と、国家資格をもつ浄化槽管理士による保守点検が主で、その義務を怠らなければ安定した稼働・運用が可能です。

そして、浄化槽が正常に動いているかを判断する法定検査は、第三者の客観的な視点で行われるため、信頼できる結果を知ることができます。

保守点検・清掃の殆どは登録業者への依頼となりますが、管理者(使用者)が難しい管理をする必要がない分、正しい頻度で依頼し、浄化槽を長寿命化できるようにしましょう。

まとめ

浄化槽のような高機能な設備を新設したり交換したりする場合、安価では済みません。

「耐用年数は一般的に20~30年」といわれても、それよりなるべく長く安全に使用したいと思う人は少なくないでしょう。

浄化槽の寿命を延ばすためにできることは大切に使う程度のことですが、株式会社スリーケーには浄化槽をより良好な状態で使用するための2つの方法があります。

使用する人が浄化槽にできるメンテナンスの方法としてお役立てください。

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