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浄化槽にかかる費用は補助金が出る?用途や申請について詳しく解説

浄化槽 費用 補助金

浄化槽は普段のメンテナンスの他に、設置や撤去などが必要なときに大きく費用がかかる場合があります。

そんな時に、補助金が利用できることを聞いたことはありませんか?

ここでは、浄化槽に大きく費用がかかるのはどんなタイミングなのか、その際に利用できる補助金とは何か、どのくらい利用できるのかなど、詳しく解説します。

何故浄化槽には補助金が出るのか

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国や自治体などには、事業者や個人の方が利用できる様々な補助金や助成金、給付金などがあります。

自治体で利用できる浄化槽の補助金もその一つですが、ただ「高額に費用がかかると大変だから」という理由で利用できるものではなく、自治体にはそれを補助するきちんとした理由があります。

ここでは、浄化槽の補助金がどういうものなのかを詳しく解説します。

生活排水処理事業には莫大なお金がかかる

浄化槽を利用している場合は管理者(使用者)が汲み取りを手配し、定期的な点検を依頼する必要があり、下水道に繋がっている場合は使用料を払い、排水管や下水管が詰まった際に修理の整備をするなど、どちらを利用していてもそれぞれの義務を負います。

そして元々浄化槽は、下水道が通っていない地域での居住において、汚水や生活排水を河川等に放流する前の浄化のために設置しています。

下水道工事には莫大な建設費用などがかかりますが、公共下水道の事業計画が進んでいない地域がまだまだ多く存在するため、浄化槽が必要とされているのです。

水質汚染を防止するため

浄化槽には単独処理浄化槽と合併処理浄化槽の2種類があります。

単独処理浄化槽は、トイレの汚水のみを処理する浄化槽で、これを設置している住宅の場合、トイレ以外の生活排水については処理されず、そのまま河川へ垂れ流す形になるため、平成13年4月1日から新しい単独処理浄化槽の設置は禁止になっています。

よって浄化槽法において、単独処理浄化槽の使用者は合併処理浄化槽への転換に努めることとされています。

合併処理浄化槽については、汚水と生活排水のどちらも処理を経て浄化され、環境に害のない形で河川へ放流されますが、管理不足の浄化槽を使用している場合、しっかり浄化されない処理水が河川に放流され、水質を汚染することになります。

そのようなことがないよう、日頃から定期検査や清掃などに対応し、故障した場合は修理・交換するなど、きちんと管理する必要があります。

他にも、引っ越しなどで家を解体する際、環境汚染にならないように決められた方法で正しく浄化槽を撤去する義務があり、それを怠ると場合によっては不法投棄とみなされてしまいます。

他にも環境を汚染しないよう浄化槽を正しく取り扱わなければならない様々な場面で、大きな費用がかかることが想定されます。

浄化槽の補助金制度は、そういった場面での費用負担を少しでも軽くすることが環境を守り整備事業の一環を担うことになるとして、自治体にて行われているのです。

浄化槽の補助金の相場や申請の条件

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具体的にどの程度の補助金が出るのか、申請の条件など、実際に利用する際のポイントをご紹介します。

名前も相場も自治体によって違う

浄化槽が必要とされている地域を保有する市区町村の多くは、浄化槽の計画的な整備を図っています。

その地域にて浄化槽の設置を行う者に対して、自治体が設置費用を助成する事業を行っている場合に、その費用の一部を国が助成する交付金があります。

浄化槽整備推進関係予算として自治体に助成される交付金は、浄化槽にかかる費用に対する補助金の財源となります。

国から交付される予算には『循環型社会形成推進交付金』と『汚水処理施設整備交付金』があり、これを自治体が運用する際に、申請できる基準などを自治体が決定するため、詳細は自治体に問い合わせることになります。

以下は一例です(『転換』は、単独処理浄化槽または汲み取り槽の合併処理浄化槽への転換の略)。今現在実施していない制度もあります。

【群馬県高崎市…浄化槽設置事業補助金(pdf申請書あり)】

  • 転換、または増改築に伴う転換に対して補助
  • 転換…5人槽 330,000円/7人槽 410,000円
  • 新設扱い転換…5人槽 150,000円/7人槽 190,000円
  • 新設扱い転換の場合は、群馬県の『エコ補助金』が加算
  • 豪雪地帯の地域の場合は金額が高め

【熊本県熊本市…合併処理浄化槽設置補助金(word申請書あり)】

  • 転換に対して補助
  • 浄化槽本体工事…5人槽 444,000円/7人槽 486,000円
  • 宅内配管工事…5人槽 300,000円/7人槽 300,000円
  • 単独撤去…5人槽・7人槽 120,000円
  • 浄化槽設置届出書または浄化槽設置計画書を提出

【岩手県盛岡市…浄化槽切替補助金制度(現在は期間外)】

  • 合併処理浄化槽を公共下水道に切り替える工事が対象
  • 新しい配管や桝の設置など排水設備工事費用の3割
  • 限度額は一般家庭150,000円
  • 水道料金を滞納していない人が対象

上述した群馬県の、一律10万円である『エコ補助金』のように、その土地独特の補助金や、問い合わせることで初めて紹介してもらえる補助金などもある可能性があります。

交付金の予算額によって、実施の有無が分かれる年度がある場合や申請資格の違い、添付書類が必要だったり、報告義務があったりと、自治体それぞれの特徴があるため、まずは問い合わせてみることをおすすめします。

補助金が出るタイミング

下水道の使用が居住区域で開始されると、浄化槽を使用している場合は3年以内に下水管に繋ぐことが義務付けられていますが、その際はある程度大きな費用がかかります。

その他にも浄化槽を使用している場合、大きく費用がかかるタイミングは以下の通りです。

  • 新築・リフォームの際などの合併処理浄化槽の設置
  • 家の解体などによる浄化槽の撤去
  • 故障や寿命などによる浄化槽の交換
  • 単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への転換
  • 浄化槽から下水道への切り替え

一般家庭で使用する浄化槽の大きさは5人槽~7人槽ですが、実際に合併処理浄化槽を交換・設置する場合、本体も含めた相場は以下の通りです。

  • 5人槽…80~100万円
  • 7人槽…100~140万円

例えば単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への転換となると、水洗トイレの設置となるため、工事費用は80~175万円程度です。

一方撤去となると、一般家庭用の5~7人槽で3~7万程度ですが、撤去の場合は清掃・消毒が義務となり、その費用相場は2~4万円ほどで、撤去と合わせると10万円前後となります。

浄化槽から下水道へ切り替える場合の相場は、浄化槽を撤去し、排水設備や公設桝設置の工事などを行い、総額は30~70万円ほどになります。

浄化槽関係の費用は、大小はあれど大きな予算が必要になりますので、対象の適否も含め、新設や転換・撤去を検討してみてください。

浄化槽の補助金についての注意点

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確実に申請し、無事に浄化槽の転換等を済ませるために、以下のことに注意して計画しましょう。

申請は工事の前に

補助金の申請から支給までは以下の通りです。

  1. 合併処理浄化槽設置届を提出
  2. 補助金交付申請書を提出
  3. 交付決定通知が届く
  4. 工事着工
  5. 自治体による浄化槽埋設時の中間検査
  6. 実績報告書を自治体へ、工事終了後1ヶ月以内に提出
  7. 申請者・工事業者・自治体立ち合いによる完成検査
  8. 補助金交付

完成検査後、約1ヶ月程度で補助金が交付されますので、順番的には一旦業者に費用を支払わなければならないでしょう。

浄化槽の転換などの補助金の申請書に、見積もりの添付が必要であったり、中間検査があったりするため、補助金の交付申請は工事の前に行いましょう。

予算が無くなると受付が終了する

補助金制度は交付金の予算に達してしまうと早期終了する可能性もあります。

また、補助事業期間中に工事を完了できない場合なども、補助金制度を利用できない場合があります。

ほんの少し相談が遅れた所為で助成を受けられない、なんてことにならないように、計画の段階であっても早めに相談しましょう。

完全撤去しないと罰金の可能性も

浄化槽の撤去の場合、費用を安価に抑えるために、中の汚水を抜くだけでそのまま埋めてしまう『埋め殺し』や、清掃後に装置や部材のみを撤去し本体に穴を空け埋めてしまう『埋め戻し』などの方法がありますが、不法投棄とみなされ違法行為となります。

以上の方法で下水道に切り替え、そのまま家や土地を売却すると、最終的には明るみになるため、切り替えの際は完全撤去しましょう。

工事依頼は登録業者へ

浄化槽のメンテナンスや保守点検、修理などは自治体に登録のある業者に依頼することが決められていますが、設置や撤去の場合の工事業者も同様に『浄化槽工事業』の登録業者に依頼しなければいけません。

それ以外の業者に依頼するようなことがあれば、補助金制度も利用できないことになります。

浄化槽工事業者の一覧は自治体にありますので、補助金の相談の際に確認するとよいでしょう。

まとめ

浄化槽にかかる費用に対して利用できる助成金制度について、詳しく説明しましたが、いかがでしたか?

高額にかかる費用を軽減するためというより、環境や水質を守るための制度だということが分かって頂けたかと思います。

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