排水溝のカビには何が効く?黒カビの予防方法、清掃時の注意点などを紹介
梅雨時になると生えてくるカビや、場所を選ばないカビ、通年で生えるカビなど、カビにはいろんな種類があります。
見た目も不快ですが、放っておくと健康被害にも繋がる場合があります。
それぞれのカビについては、発生条件や特徴に違いもありますが、ここでは、特によく見かける排水溝の黒いカビについて、掃除の仕方や予防法についてご紹介します。
有効な掃除の仕方、予防方法や注意点など、是非参考にしてみてください。
目次
カビについて知ろう
まずは今回の敵である、カビについて知りましょう。
カビとは
カビは糸状構造を持つ糸状菌で、微生物の一群であり、キノコの仲間です。
実際に私たちが「カビが生えた」と気付くのは、目に見えないカビの種(胞子)が好みの場所に落下すると発芽し、糸状の先端から栄養や水分を吸収しながら伸びて菌糸体になり、それが集合体(コロニー)になった時です。
つまり、普段その辺を胞子が浮遊している時点で、実はもうカビがいることになります。
もしカビを防ぐとしたら「あ、ここカビが生えてる」と思うより前の時点で対策を講じることが必要なのかもしれません。
カビを放置するとどうなる?
カビは深く根付きながら広がっていく習性があります。
特に、排水溝という絶好の環境に生えた黒カビを放っておくと、あっという間にヌメリや臭いの元になり、酷くなると詰まりの原因になってしまいます。
そして、カビによっては特有のカビ毒と呼ばれる毒素が胞子と共にまき散らされます。
排水溝でよく見かける黒いカビは、それ自体に毒性はありませんが、吸い込むと気管支疾患やアレルギーなどの原因になるなど、人体に影響を及ぼす場合があります。
カビが発生する条件
カビが生えやすい場所には、どのような条件が揃っているのでしょうか?
- 栄養
- 酸素
- 温度
- 湿度
栄養といっても、カビにはプラスチックやビニールなど、おおよそ栄養とは無関係だと思われるものでも栄養源にできるという特徴があります。
さらに人間が生活できる温度であればカビも繁殖できますが、0~45℃前後で生育でき、特に20~30℃の環境で生えやすくなるといわれています。
そしてカビといえば湿気ですが、60~90%くらいの湿度の場所を好む傾向があり、排水溝で見かける黒カビは、湿度90%以上の環境を特に好みます。
しかし、種類によって最適な湿度はそれぞれ違いはあっても、一般的にどのカビも湿度が60%以上であれば、多少湿度が足りなくても繁殖できてしまいます。
黒カビは熱やアルコールに弱く、除菌はしやすいものの、黒色(濃い緑)の色素や根が落としにくく厄介です。
カビの中でも除去しづらい、生命力の強い黒カビにとって、排水溝は、条件の良い絶好の場所なのです。
排水溝付近で見かけるカビ
カビについては、様々な色のものを見たことがあると思いますが、環境や栄養源など、揃っている条件によって生えるカビが違います。
ここでは、排水溝付近で見かけたことのあるカビについてご紹介します。
お風呂場でよく目にする赤カビ
赤カビは食品などに生えているものと、浴室の壁や床など水分が残りやすい部分でのものとを見かけることがあると思います。
しかし、浴室で見かけるものは、実はカビではなくロドトルラという酵母菌の一種です。
ロドトルラは黒カビより繁殖力が高いですが比較的落ちやすく、普段お風呂掃除に使っている中性洗剤や重曹を使いスポンジで擦るなどで済みます。
一方、食品などで問題となる赤カビはフザリウムというカビで、土壌中の野菜や植物などに発生することがあります。毒性が強く、汚染された食品を食べると中毒や免疫低下を起こすことがあります。
中には、台所やお風呂場の排水溝、コンタクトレンズの洗浄液で増えて被害が出た例もあります。
うっかり掃除を怠ると現れる黒カビ
黒カビは基本的にどこにでも生えますが、特に浴室や台所などの水場でよく見かけます。
空気中に飛散しているので、屋内のどこにいても吸い込む可能性があり、アレルギーや喘息を引き起こすことがあります。
中性洗剤やアルコールで擦れば落とすことができますが、柔らかい素材には根深く菌糸を張るので、しっかり除去するためには、漂白剤などの塩素系が効果的です。
カビが深く侵入している場合や、広範囲にわたる場合には専門業者に依頼することもあります。
排水溝の黒カビの対策や予防法
排水溝の黒カビ対策で重要になるのは、除菌と乾燥です。
黒カビは見た目で綺麗になったと思っても、深いところまで根を張っていて、完全に除去しないと再発するので、掃除の際にしっかりと除菌をすることが肝心です。
乾燥も大事ですが、毎回水気を拭き取るのは大変なので、毎日のお掃除や風通し、浴室での十分な換気扇使用など、できる範囲で対策するだけでも効果はあります。
日常のメンテナンスとして、掃除後などにアルコールや除菌スプレーなどを吹きかける習慣があると、カビが繁殖しづらい環境を作ることに繋がるでしょう。
黒カビ掃除で用意するもの
黒カビ掃除には、以下のようなものを揃えましょう。
- ゴム手袋
- マスク
- ゴーグル
- 漂白剤やカビ取り剤
- 歯ブラシ
- キッチンペーパー
- 雑巾・布巾など
カビ取り剤や塩素系漂白剤は効果がある分強力ですので、効率よく掃除を済ませるためにも上記のような道具を用意し、安全に使用してください。
浴室の黒カビ
浴室では専用のカビ取り剤が多く出ているので、ここではカビ取り剤として説明します。
浴室は排水溝の他にもタイルの目地や壁、天井、換気扇など、黒カビが広範囲に生えるので掃除が結構大変です。
排水溝は特に触りたくない場所ですので、最初にカビ取り剤を直接吹きかけて、先に綺麗にしてしまいましょう。
柔らかいゴムパッキンや、色素沈着などがあると、完全な除去は難しい場合もありますが、カビ取り剤で大抵落とせます。
浴室の黒カビ掃除については、以下がポイントです。
- カビ取り剤を排水溝に吹きかける時、見えているカビだけではなく、まだ生えていないカビに対する予防のためにも、全体的に吹きかける
- カビ取り剤の指示にある時間を置いたら水を使って流す(お湯は塩素が急激に分解して危険)
- 一通りカビを落としても臭いが消えない場合は、エプロン(浴槽の外側)に黒カビが発生している可能性がある
スプレータイプのカビ取り剤であれば便利ですが、ない場合はキッチンペーパーにしみこませてラップするなどの方法も有効です。
エプロンまでカビの被害が及ぶと自力で対処できない場合は、業者に相談してみましょう。
そして、浴室で黒カビを予防するには、カビの熱に弱い性質を利用します。
50℃以上の熱湯であればある程度効果が期待でき、その後冷水をかけて浴室内の温度を下げることで、湿度を下げてカビの繁殖も妨げられます。
あとは髪の毛などに汚れが絡みつくなどして汚れが溜まりやすいので、普段のお掃除をきちんとすることも、カビ予防には欠かせません。
排水溝に置いたり、蓋に貼ったりするような防カビ剤も市販されていますので、利用するのもいいでしょう。
台所の黒カビ
中性洗剤で落としきれない台所の黒カビには、台所用漂白剤が有効です。
台所の排水溝は複雑な作りをしていますが、防臭ワン、ゴミ受け、排水口カバーなど、もれなく黒カビが生える環境になりますので、それぞれのパーツを綺麗にしましょう。
浴室の排水溝と同じように、台所用漂白剤を上記のパーツそれぞれと、排水溝に吹きかけて10分程度置いて、浴室同様、お湯ではなく水で流します。
残った汚れがあればブラシやスポンジで擦って落とします。
特に、排水口カバーなどはゴム製なので、カビを落としきれないケースもありますが、キッチンペーパーでつけ置きする場合、長い時間のつけ置きはゴムの劣化に繋がりますので、掃除後に再度漂白剤などに漬ける場合などは5分程度にしておきましょう。
そして台所の排水溝のゴミ受けに、アルミホイルを丸めたものや10円玉を入れておくと、カビが生えなくなるわけではありませんが、抗菌作用によりある程度予防します。
その他にできるカビへの予防策
その他、手軽にできるカビへの予防策も紹介します。排水溝への対策はもちろんですが、お家全体の温度や湿度を適切に保つことで、よりカビの発生しにくい環境に繋がります。
1.換気をする
湿気がこもらないように、定期的に換気をすることが大切です。
朝晩の涼しい時間帯に窓を開けたり、換気扇を回す、エアコンをつけるなどの方法があります。
特にシャワーやお風呂などの湿気の発生が多い場所は、換気をこまめに行いましょう。
2.湿気を取り除く
湿気の多い場所には除湿機を使う、カビ取り専用のシートを貼る、乾燥剤を置くなどして、湿気を取り除くことが重要です。
特にお風呂の排気扇や浴室乾燥機をしっかり使うことで、湿気を取り除くことができます。
3.掃除をする
定期的な掃除も大切です。
カビの発生を防ぐために、特にシンクやキッチン、お風呂、トイレなどの湿気の多い場所を重点的に掃除しましょう。
カビが生えてしまった場合、掃除の際にはアルコールや専用シートなどでしっかり拭き取ることが大切です。
しかし、すでにカビが生えてしまってからでは根が取り除き難くなることもあるため、普段のお掃除や掃除機がけをこまめに行うことがより良いです。
4.空気循環をさせる
空気が滞留しないように、家具などを壁から離して配置することで空気の循環を促しましょう。
また、家具の裏側や壁際など、掃除しづらい場所にも注意し、こまめに掃除をすることで、カビの発生を防ぐことができます。
5.食べ物の管理
食べ物も当然ながらカビが発生することがあります。そのため、管理に注意する必要があります。
例えば下記のようなことです。
水分をふき取って保存する
食材を使い切る、買い込み過ぎない
冷蔵・冷凍できるものは適切に保存し、常温で放置しない
冷蔵庫内を清潔に保つ
また板など調理器具を小まめに掃除する
こういった点に注意しながら、しっかりと保管しましょう。
黒カビ掃除中の注意点
塩素系の薬剤を主に使う黒カビ掃除は、危険が及ぶ場合もある注意点がいくつかあります。
しっかり換気して、直接触らない
塩素系の薬剤は、直接触ったり吸い込んだりすると様々な悪影響があります。
目・喉・皮膚などに刺激や痛みを感じたり、気分が悪くなったりした場合は医師への相談が必要です。
低濃度でも、刺激が弱いためにかえって肺の奥まで侵入してしまい、後になって肺気腫を起こす危険性がありますので、換気扇を回す、窓を開けるなど、換気はしっかりと行いましょう。
そして、漂白剤を直接触って手がぬるつく経験をした方もいらっしゃると思いますが、あれは皮膚のタンパク質が分解されている状態なので、そのまま洗わずに放置すると、火傷のような状態になってしまいます。
使い捨て手袋などを着用しての使用が望ましいですが、もし漂白剤が手についた場合は、大量の水で洗い流し、炎症などがみられる場合には医療機関に相談してください。
どうしても漂白剤が苦手な場合は、過炭酸ナトリウムなどナチュラル洗剤を使用する方法でも、ある程度の黒カビを落とすことができます。
混ぜない、そしてしっかり流す
「混ぜるな危険」というフレーズを聞いたことがあると思いますが、塩素系漂白剤やカビ取り剤と、酸性タイプの洗剤などが混ざると、塩素ガスが発生して危険です。
人体にとって危険なガスですので、万が一混ぜてしまった場合は、すぐに水で流すなどして、換気が終わるまでその場には近づかないようにしましょう。
通常使用の場合と同様、異変を感じたら受診が必要です。
そして、掃除が終わったら、流し残しはその部分の劣化を早め、他の洗剤と混ざる危険もあるので、塩素系漂白剤を残すことのないように、しっかりと水を流してください。
まとめ
色んなカビがありますが、排水溝に巣食う黒カビの対策や予防法を詳しくご紹介しました。
日頃から黒カビが生えにくい環境にできれば、そこまで大掛かりにカビ掃除をしなくても済みますよね。
こまめなお掃除で黒カビを防ぎましょう。
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