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排水溝の洗剤はどんなものがある?成分や使用法などを知って上手に選ぼう

排水溝 洗剤

ちゃんと掃除をしていても、流れが悪くなったり臭ってきたりする、排水溝。

完全に詰まってしまうと、効く洗剤も効かなくなってしまうこと、ご存じですか?

  • いつもの掃除を見直したい
  • 流れが悪くなってしばらく経つ
  • 臭いが気になる
  • どの洗剤を選べばいいのか、いつも迷う

ご自宅の排水溝について、こんなお悩みを持つ方に、排水溝の洗剤の成分や選び方、注意点について、詳しく解説します。

排水溝ごとに汚れが違う

排水溝 洗剤

住居には複数の排水溝が存在していますが、それぞれの排水溝によって汚れの性質に違いがあります。

台所

台所からの生活排水が一番多く、環境汚染の一番の原因とされていますが、排水溝や排水管が詰まる主な原因が油汚れとされています。

揚げ物や炒め物に使われるサラダ油などの植物性と、肉などの食材から出る動物性の、この2種類の油が排水管に汚れとして及ぼす影響も、それぞれ違います。

植物性の油は固まる温度が低めですが、その分奥に流れやすく、また洗剤や水分と混在するとエマルション化して、マヨネーズのように固形化します。

動物性の油は固まる温度が割と高く、排水溝や排水管の中で簡単に冷え固まってしまいます。

そんな風にこびりついた油汚れに、食材や洗剤のカスが絡まり腐敗し、ぬめりが発生します。

このぬめりはバイオフィルムといって台所以外にも存在しますが、熱に弱い油の対処法であるお湯や薬剤に対して耐性ができることもあり、放置するとどんどんと汚れが落としにくくなってしまいます。

お風呂場

お風呂場の排水溝の汚れとして一番多く思いつくのが髪の毛だと思います。

ゴミ受けなどに溜まっているので確認しやすいですが、あのゴミ受けだけで全てのごみや汚れをブロックできるわけではありません。

髪の毛の他に、油汚れとは無縁と思われるお風呂場でも、身体を洗って流れ落ちる皮脂汚れ、垢や石鹸カスが存在します。

その他にわりと多いのが、詰め替え用の袋の口を切った際の切れ端や、剃刀の刃、そして、常に湿気があるので、実はカビも汚れとして考えなければいけません。

使用する頻度は台所ほどではありませんが、お掃除の手が抜けないのは、お風呂場の排水溝も同様です。

洗面所

洗面所は、最近ではシャワーが付いている洗面台もあるので、お風呂場の排水溝とごみの性質は似ています。

ヒゲを剃る方もいるでしょうし、顔を洗う石鹸の他に、ここでは歯磨き粉も登場します。

洗濯の下洗いに使えば、繊維くずが他の汚れに絡まることもあるでしょう。

そして、排水溝がとても細いので、何か異物を落としてしまったら一発で詰まりこともあり、取ることもなかなか困難です。

洗濯機

洗濯機の排水口は他の排水溝と違い、見える場所にない場合がほとんどなので、ここほど気にしてもらえない排水溝はないと思います。

確かに洗濯機には、衣類へのごみの再付着を防ぐためのフィルターが洗濯槽に付いているので、そこを気にするだけでも、排水溝に流れていくごみを多少防ぐことはできるようになっています。

そして、ともすれば自分で排水溝のお掃除はできないと思われています。(実際は少々手間がかかるもののお掃除は可能です)

もちろんこの排水溝も、洗剤カスや糸くず、糸埃、衣類に付着している皮脂汚れや、泥砂と、汚れのバリエーションは豊富です。

トイレ

トイレも実は排水口の一種ですが、ご存じの通り、トイレに流すものといえばタンパク質となり、異物や水に溶けない紙を使うことがなければ、他に変わったものを流すことはあまりありません。

浄化槽をお使いの場合、微生物に影響を与えないという、他の箇所の排水溝とは別の基準で洗剤を選ぶ必要もあります。

汚れによって有効な成分を選ぶ

排水溝 洗剤

各排水溝の汚れの性質を見極め、相性の良い洗剤を選ぶことで、効率よく掃除や詰まりを解消することができます。

排水溝の為に選ぶ洗剤は、どんな成分がどのくらい入っていればいいのかなど、選ぶ基準をご紹介します。

水酸化ナトリウムは油汚れに強い

詰まりを引き起こす一番の原因である油汚れには、油を分解する性質を持つ水酸化ナトリウムを含有した洗剤を選びます。

1%以下の濃度でぬめりや臭いが取れるので、日常的な掃除として十分使えます。

1%以上になると、詰まりなどの排水不良の場合に、流し込んで時間を置くなどして使うパイプクリーナーが販売されています。

「強粘度」「ジェル」など、粘度が高いと油汚れに留まって分解してくれるので、頑固な油汚れには高粘度を選びましょう。

5%以上含有するものについては劇物指定になりますので、使用する場合は取扱に注意が必要です。

髪の毛やタンパク質には次亜塩素酸ナトリウム

次亜塩素酸ナトリウムは、塩素系漂白剤に含まれる有効成分で、手に触れるとぬるぬるしますが、あれは主成分である次亜塩素酸ナトリウムが、手の表面のタンパク質を分解するからです。

お風呂や洗面所の排水溝に多い汚れは髪の毛や皮脂なので、次亜塩素酸ナトリウム含有の洗剤が有効です。

さらに湿気の多いお風呂場などの、カビ取りにも高い効果があります。

塩素系漂白剤の次亜塩素酸ナトリウムの濃度は6%程度で、髪の毛などを入れてみると2分程度で溶けてしまうほどの即効性ですが、実際のお風呂用洗剤には、肌などに触れると大変危険なので、もっと低い濃度で含まれています。

水酸化ナトリウムも髪の毛をボロボロにする効果がありますが、排水溝の詰まりなどに利用する場合は、次亜塩素酸ナトリウム含有のパイプクリーナーなどを選びましょう。

バイオ洗剤は環境に優しい

バイオフィルム、つまりぬめりは雑菌の家です。これが発生してしまうと、臭いの発生に繋がる他、熱湯や薬剤に耐性をもつ場合もあります。そういった場合に、ぬめりを除去する微生物や酵素などが含まれたバイオ洗剤は有効なことがあります。

排水溝が完全に詰まった場合だと即効性はありませんが、ぬめりを分解してくれます。中には、定期的な使用により普段から不快な臭いや害虫を防止し雑菌も防ぎ、排水の不調を防ぐことに繋がる製品もあります。

洗剤の形状にも違いがある

普段の掃除には使いやすい形状のものをお使いだと思いますが、排水が不調な場合の洗剤も、汚れの状態や使う人の条件などによって、最適なものを選んで使うことができます。

液体タイプ

液体タイプはサラサラしたものから、「ジェル」や「強粘度」などの表記の通り、ドロドロと粘性があるものなどがあります。

汚れが塊になって排水不良を起こしている場合、汚れに直接かけて留まることで、より効果が期待できます。

粉末タイプ

水と反応した泡が排水溝の隅々に行き渡り、発泡力で汚れを落とす粉末タイプは、粉状のものや、粒状、タブレット状などがあります。

排水溝に振りかけたり投げ入れたりして、決まった量の水を注いだり、ただ入れるだけだったりと、形によって使い方は色々ですが、原理は同じです。

水の量の加減でうまく発泡しなかったり、粉状だと飛び散るなどして吸い込んでしまい危険だったりと、慣れていないと扱いづらい場合もあります。

泡タイプ

排水溝から泡を噴射する泡タイプは、粉末タイプのように水分調整が必要ない分、手軽に使えます。

排水溝との隙間をある程度密閉して、ジェット噴射するタイプや、奥まで届くように細いノズルが付いている場合もあるスプレータイプ、ヘアムースのように出てくるタイプなどがあります。

排水溝の洗剤の、効果的な使い方

排水溝の洗剤は使う場所や成分によって色々あることは分かりましたが、より効果的に使う方法があります。

排水溝の汚れに必ず含まれるのは皮脂も含めて油汚れです。

油は、温度は違いますが冷えると固まる性質がありますので、流れにくくなっている排水溝を掃除する時は、50℃前後のお湯を使うと効率が上がります。

ただし、排水管の素材に多い塩化ビニール管は耐熱性が低いので、より良い効果を狙うつもりで60℃以上の熱湯を流すと変形に繋がるので絶対にやめましょう。

パイプクリーナーなどを使う時は、事前に適温のお湯を入れ、排水溝や排水管をあらかじめ温めてから行うと、より効果を発揮します。

排水溝の洗剤を使う際の注意点

排水溝 洗剤

適材適所で使える排水溝の洗剤が色々と販売されていますが、手軽に使える反面注意点もあるので、しっかりと取扱説明書や使用上の注意を読んで使用しましょう。

とりわけ、よく汚れが落ちるものほど、気を付けなければいけない成分が高濃度で含まれている場合があります。

混ぜてはいけない洗剤と併用しない

お風呂場の排水溝に最適な次亜塩素酸ナトリウムは、酸性の洗剤と混ぜると有毒ガスが発生し、中毒症状を起こします。

水酸化ナトリウムはそれのみで劇物であり、例え一般家庭向けといえど吸い込んでも安全とは言えません。

排水溝の詰まりに対応する洗剤を使う場合は特に、マスクやゴム手袋・できればゴーグルを着用し、換気を十分にした上で、混ぜてはいけない洗剤と絶対に併用しないなど、気を付けて取り扱うように心がけましょう。

放置時間を指示通り守る

排水溝の詰まりが頑固だと、パイプクリーナーの放置時間を指示より長めにすることはありませんか?

放置時間を長くし過ぎると、排水溝や排水管内で取れた汚れが下に落ちたり、余計に汚れが固まってしまったりする所為で、詰まっていなかった箇所まで詰まってしまう場合があります。

効果が十分発揮される放置時間を指示されているので、必要以上に長く放置するのはやめましょう。

排水しない状態では使用しない

洗剤の種類にもよりますが、全く流れない状態の場合、詰まっている汚れの上に水が溜まっている場合があります。

排水管内のどこでどのように詰まっているのかが目で確認できない場合が多く、その状態でパイプクリーナーなどを使うと、余分な水分の所為で洗剤の効果が低下し、詰まりを解消しきれないままさらに詰まる可能性があります。

全く排水しない場合は、排水管の詰まりをワイヤーブラシや加圧ポンプなどで削って、貫通させてから洗剤を使用すると、本来の効果が得られます。

業務用薬品は扱いに注意する

ある程度の成分の調整がされている洗剤は、ホームセンターやドラッグストアで販売されていますが、強力な効果がある高濃度の洗剤は同様の方法で入手できないので、ネットで購入することになります。

業者が使うような洗剤の場合、濃度も高く、それなりの装備で臨んだとしても、慣れない作業では思わぬ事故を招きかねません。

使用する際には、注意書きを熟読し用法容量を守って正しく使用しましょう。

まとめ

排水溝の洗剤を選ぶには、どこの排水溝が今どんな状態なのかをある程度把握しておく必要がありそうですね。

しかし本文にもある通り、見えないところに汚れが溜まってしまうと、これからしようとする処置が本当に合っているのか、やってみないと分からない処があります。

今はまだ排水管が詰まっていないお宅や、もう詰まりを解消して今は快適に排水しているお宅は、排水が快調なうちに、洗剤以外の力を借りて排水溝をキレイに保つ対策をしませんか?

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