洗濯の時『おしゃれ着』はどう洗う?普通の衣類との違いや洗い方を解説
誰でも数枚は、楽しみたいとき・嬉しいときに着たいお気に入りのデザインや素材の『おしゃれ着』を持っていると思います。
しかし「これって、どうやって洗うの?」「クリーニングにだすしかないの?」と思ったことはありませんか?
今は異素材や凝った形の、さまざまなファッションが出回っていますが、着る度にクリーニングにだすとなると、着る機会もなかなか増やせませんよね。
この記事では、お気に入りのおしゃれ着を家で洗えるのか、普通の衣類との違い、おしゃれ着を洗う場合の手順や注意点を紹介します。
「あれって家で洗えないかな?」と思ったときの参考にしてください。
目次
そもそも『おしゃれ着』とは?
『おしゃれ』と思う基準は人それぞれに違いがあるため『おしゃれ着』と断定するのは難しいですが、洗濯をするにはある程度の基準があります。
ここでは、おしゃれ着とはどのようなものか、洗う際に気をつけるポイントなどを紹介します。
デリケートな衣類のこと
洗濯における『おしゃれ着』とは、デリケートな素材で作られた、型崩れの気になる(しやすい)、そして普通に洗ってしまうと痛んでしまう洋服を指します。
さらに素材の他にアイテムや加工についても、取り扱いに注意しなければならない場合はおしゃれ着として分けられます。
以下はデリケートな取り扱いが必要な素材などの一例です。素材によっては普段着扱い可能のものもありますが、参考にしてください。
素材の例 | アイテムの例 | 加工の例 |
---|---|---|
ウール・カシミヤ・アンゴラ・シルク・リネン・アセテート・レーヨン・キュプラ・テンセル・ポリエステル・皮革・合皮・ベルベット | コート・ダウン・スーツ・ジャケット・制服・ブラウス・ドレス・ワンピース・パンツ・スカート | 起毛・特殊コーティング・ビーズまたはスパンコール装飾・ニット製品・レース・プリーツ・ワッシャーなどのシワ加工 |
デリケート素材は、水に濡れることで痛んだり伸縮したりする可能性があるものが多く、デリケートなアイテムは型崩れが気になるもの、加工の例は破損の恐れがあるものがあります。
素材は見ただけで分からないものもあり、確認せずに家で洗濯してしまうと型崩れして着られなくなったなどという事態になりかねないため、購入・洗濯の際には確認が必要です。
「家で洗える?洗えない?」は洗濯表示で判断
家で洗えるかどうかはまず洗濯表示で判断します。
消費者庁では家庭用品品質表示法に基づく繊維製品品質表示規程が改正され、平成28年12月1日から新しい洗濯表示に変更されました。
私達にとって身近である、おしゃれ着洗いに関する洗濯表示は以下をご参考ください。
液温は30℃を限度とし、洗濯機で非常に弱い洗濯ができる | 液温は40℃を限度とし、洗濯機で非常に弱い洗濯ができる | 液温は40℃を限度とし、手洗いができる | 家庭での洗濯禁止 |
上の洗濯表示は、左の2つが洗濯機、右から2番目は手洗いであればOK、そして右は家庭での洗濯(水洗い)が禁止であることを表しています。
表示内の数字はお湯で洗う際の温度の上限で、これを守らない場合は衣類が縮むなどの恐れがあります。
家で洗濯したい場合は、購入の時点で洗濯表示を確認するのがベストです。
家で洗えないおしゃれ着はクリーニングへ
家庭での洗濯が禁止の洗濯表示がついている衣類は、クリーニング店にだすことで洗濯が可能です。つまり家庭では洗えません。
他にも、色落ちするおしゃれ着は洗濯表示で洗える表示であってもクリーニング店にお願いしましょう。
白い布におしゃれ着専用洗剤の原液をつけて、衣類の目立たないところをとんとんと叩いてみます。もし白い布に色が移ったら、家庭で洗濯することはおすすめしません。
洗濯表示がなく素材も分からない場合は自己判断での洗濯となり、クリーニング店に素材が分かる人がいれば対応してくれる場合も稀にありますが、クレームを避けるため断られるケースが多いでしょう。
家庭でおしゃれ着を洗って失敗してしまった場合、そのあとにクリーニング店に出しても元に戻るわけではありません。
お気に入りが着られなくなってしまうのはとても悲しいことです。家庭で洗濯をする場合は洗濯表示を確認するか、無理をせずクリーニング店に持っていき、プロに任せましょう。
縮んでしまったおしゃれ着を元に戻す方法
家庭での洗濯で縮んでしまった衣類は、元に近い状態に戻せる場合があります。
ウールなど動物の天然毛を使用している素材が縮んだ場合、30℃程のぬるま湯に洗髪用のトリートメントを溶かして浸け、優しく伸ばします。
そのあと30分程浸け置きして、軽く水を絞ってバスタオルの間に挟み、押すようにして脱水し、型崩れしないように干しましょう。
水に弱い化繊素材をうっかり洗って縮んでしまった場合、スチームアイロンの熱を当てながら引っ張ってみましょう。ある程度は戻ります。
しかし化繊は一度縮んでしまうと洗う前のようにはなかなか戻せないため、家では洗わずクリーニング店に任せたほうが安心です。
洗濯機でのおしゃれ着を洗う際のポイント
家庭用洗濯機には一般的に『おしゃれ着コース』『デリケートコース』など、名前は違えど大切なお気に入りを優しく洗う専用のコースがあります。
設定一つで洗えるためとても簡単ですが、押さえておいたほうがいいポイントがあります。
- おしゃれ着専用洗剤を使用
- 洗濯ネットは必須
- ひどい汚れなど、必要に応じて前処理(水は常温、洗剤はおしゃれ着専用洗剤で)
- お風呂の残り湯は使わない
- 『おしゃれ着洗い』がない場合『手洗い』『ドライ』など一番優しく洗えるコースを選択
- 脱水は30秒~1分と短めで済ます
おしゃれ着コースはデリケートな素材を優しく洗うため、通常コースに比べると洗浄力は弱めです。目立つ汚れは前処理で落としておきましょう。
脱水を短めにすると干す際に水分の重みで伸びてしまう可能性があるため、型崩れが心配な場合は平らな状態にして干す『平干し』をおすすめします。
普段の洗濯とは違い用意するものがあったり設定・前処理などが必要だったりしますが、あとはいつもと同様ボタンを押すだけとなるため、クリーニング代も浮いて楽です。
手洗いでのおしゃれ着の洗い方
上述した『手洗いができる』の洗濯表示があるおしゃれ着の洗い方を紹介します。
手順は以下の通りです。
1.洗剤液を用意する
洗面器などに洗剤液を作って用意します。分量などは洗剤の説明をよく読んで指示に従いましょう。
液が温かいと汚れがよく落ちそうな気がしますが、温度は洗濯表示に従って熱すぎないように注意しましょう。
2.衣類をネットに入れる
洗濯用ネットのサイズにあわせて衣類を畳んで入れます。
このときの状態のままで脱水まで行うため、くしゃくしゃにして入れると素材によってはシワがよってしまいます。型崩れを防ぐためにも、きれいに畳んで入れましょう。
3.押し洗いを20回程
洗剤液に入れたら、上から優しく衣類を押して、持ち上げる、を20回程繰り返す『押し洗い』をします。
揉み込んだり絞ったりするのは型崩れの原因になるため避けましょう。
4.すすぐ
きれいな水に替えて、押し洗いのときと同様優しく押して、持ち上げる、を繰り返しながらすすぎます。
手洗いの際のすすぎは2回をおすすめします。
5.柔軟剤を入れる
すすぎの最後には柔軟剤を入れて、数回押し洗いをします。
すすぎの水がきれいになったのを確認してから入れましょう。
6.脱水する
脱水は洗濯機に移して、30秒~1分程度行います。シワにならないよう平たいバスタオルのうえに置いてもう一枚のバスタオルを乗せて挟み、押して水気をとるのもOKです。
しっかり絞ってしまうとシワや型崩れの原因になるため、持ち上げてぽたぽた水が垂れない程度になれば完了です。
7.干す
日陰で風通しのいいところに干します。直射日光は避けましょう。
伸びやすかったり型崩れしやすかったりする衣類は平置きで干すことをおすすめします。
普通の洗剤とおしゃれ着専用洗剤の違い
おしゃれ着専用洗剤は、普通の洗剤とどう違うのでしょうか?おしゃれ着洗い専用の洗剤の特性を知り、上手に活かしましょう。
以下で比較してみました。
普通の洗剤 | おしゃれ着用洗剤 |
---|---|
弱アルカリ性 | 中性 |
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普通の洗剤は汚れ落ち重視のため、洗浄力が高い分衣類にダメージを与えやすいですが、毎日着まわして繰り返し洗っても耐えられる普段着とは相性のいい成分です。
おしゃれ着はデリケートな素材のため、弱アルカリ性洗剤のような強い洗浄成分よりも、素材の風合いや色合いを守りながらダメージの少ない成分で汚れを落とせる洗剤が合っています。
洗濯機の設定と、コースに合った洗剤を使い分けて大切に洗い、それぞれの衣類と長くつきあっていきましょう。
まとめ
お気に入りのおしゃれ着を家庭で洗うための方法や、家庭で洗えるかどうかの判断基準、手洗いの方法などを紹介しましたが、洗濯の幅が広がったのではないでしょうか?
クリーニング店に持っていけば間違いはありませんが、コストを考えるとお気に入りのアイテムの登場回数を減らすことになり、ファッションが好きな人にとっては寂しいところですよね。
そのアイテム、洗濯表示と素材を今一度、ぜひ確認してみてください。
登場頻度が高いおしゃれ着を自分で洗ってみるきっかけになれば幸いです。