排水口の水垢が気になる!成分や効く洗剤・場所別の落とし方を紹介
鏡や蛇口・排水口など、磨いてきれいに見せたいところほど、きれいにしてもすぐについてしまう『水垢』。
ただの水のはずなのになぜ汚れて、なぜ簡単に落ちないのでしょうか?
この記事では、なかなか落ちない水垢の成分や、掃除の際に効く洗剤、場所別の落とし方などを紹介します。
水垢が落とせればピカピカ感が増します。ぜひ参考にしてみてください。
目次
水垢とは
水垢は『うろこ汚れ』『カルキ』とも呼ばれ、水に含まれる成分が原因で溜まります。
どのようにして水垢がつくのか、掃除の際に効く洗剤や予防方法について紹介します。
水垢の成分
水垢の成分には、水に元々含まれるミネラル成分に洗剤などほかの成分が混ざっています。
水には以下のミネラル成分が含まれています。
- カルシウム:水垢の主な主成分。ざらついている
- ケイ素:ケイ酸となってほかのミネラルと結びつき、化合物となる
- マグネシウム:ほかのミネラルと化合し、炭酸マグネシウムに変化
- カリウム
- ナトリウム
水質は地域によって違うため、成分の配合にも違いがあります。また、ほかのミネラルと結びつくことで変化する成分もあります。
台所で洗い物をしたり、浴室で入浴したり、洗面台で顔を洗うなどをすると、水にそれぞれの洗浄成分や汚れの成分が混ざって撥ね、そのままにするとそのうち水分のみが蒸発します。
するとミネラルと他の成分が混ざった白い塊となって取れなくなります。それが水垢です。
水垢はなぜ落ちない?
水に含まれるミネラルは金属元素由来のものであり、金属イオンを含む化合物の集合体として堆積します。これらが蓄積すると金属化合物の堆積物となるため、汚れは硬くなり、簡単には落とせなくなります。
そうなってしまうと、スポンジで擦ったり布で拭いたくらいで落ちるものではありません。
水垢は、溜まる場所によっては洗剤や汚れの成分と混ざって複雑化するため、それぞれ適した成分でなければ落とせない汚れに変化します。
水垢の落とし方
水垢は溜まっている場所によって落とし方や使う洗剤などを変える必要があります。
ここでは、水垢の落とし方やポイントを紹介します。
水垢の落とし方は基本的に2種類
水垢の落とし方の基本は「溶かす」か「削る」になります。
溶かす場合は水に含まれるカルシウムなどのミネラルや金属を溶かす効果のある酸性の洗剤やクエン酸などの成分が効果的です。
小さじ1杯のクエン酸に水200mlを入れて混ぜクエン酸液を作り、スプレーボトルなどに入れておくと便利です。
手近なものでは、酢やレモン水でも水垢には有効ですが、ほかの成分が含まれている場合は金属を溶かしてしまう・匂いが移るなど、その作用に注意が必要です。
削る場合はクレンザーや歯磨き粉などがあり、表面に傷をつけてしまう危険性がありますが、場所によっては有効です。ゆっくり擦りましょう。
重曹は研磨効果があるため、クレンザーのように使用します。
油性など水垢以外の成分が含まれる汚れにも対応でき、粒子が非常に柔らかく傷がつきにくいため、排水口内に使用すると水垢にもほかの汚れにも対応できておすすめです。
酸性の洗剤が使えない素材
大理石や御影石など、素材によっては酸性の洗剤が使えない場合があり、特に大理石は主成分が炭酸カルシウムのため、表面が溶けてざらつきます。
酸性洗剤が染み込んでしまうと艶がなくなりシミができ、さらに石には微細な孔や隙間が存在することがあるため、洗剤が入り込むことでカビの原因となります。
酸性洗剤は強い性質をもっているため、使えない場所があることを念頭に置いておきましょう。
酸性とアルカリ性の洗剤は一緒に使用しない
塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)と酸性洗剤を一緒に使用すると、有毒である塩素ガスが発生する危険性があるため、一緒に使用してはいけません。
かといって、水垢が発生する場所では大抵、酸性とアルカリ性のどちらかの洗剤で落とす場合が多いです。
先に使った成分をしっかりと洗い流してからもう片方の成分を使用する、十分な換気をする、など注意が必要です。
コーティングを剥がさないようにする
ステンレスのシンクや浴槽、トイレや洗面所の陶器など、汚れ防止のためにコーティングがされているため、剥がさないよう注意が必要です。
取れないからと金たわしなどで削り落とすような擦り方をすると、傷がついて耐水性が落ち、劣化や腐食につながります。
水まわりの耐水性を上げる効果のあるものに配慮して水垢を落としましょう。
場所によって水垢の落とし方を変える
場所によって水垢の特徴に違いがあるため、それに合わせて落とし方も変える必要があります。
水垢落としに便利なクエン酸水と重曹ペーストの作り方は以下です。
- クエン酸水:クエン酸小さじ1×水200ml
- 重曹ペースト:重曹大さじ2と水大さじ1を粉っぽさを残して混ぜる
普段の掃除にも活躍するため、利用してください。
以下に、場所別の水垢掃除の方法をまとめました。
クエン酸パック |
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浴槽 |
落ちない場合はクエン酸パック |
台所 |
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トイレ |
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台所やトイレはさまざまな性質の汚れが混在しているため、汚れが蓄積している場合には、いっぺんにではなく段階を分けて落とすこともあります。
トイレは酸性洗剤が水撥ねすると危険であるため、封水は灯油ポンプなどで抜く、酸性洗剤とアルカリ性洗剤を混ぜないなど、注意が必要です。
擦り落としにもいろいろある
水垢の擦り落とし方はほかにも手軽な方法があります。
メラミンスポンジは高密度の樹脂でできた硬めのスポンジで、タオルや普通のスポンジで擦っても落ちない鏡や床の水垢を落とすのに効果があります。
水をつけて擦るだけですが、削って落とすのと同様であり、コーティングしているところを擦ると傷がつく場合があります。
ほかに削って落とすタイプは頑固な水垢を落とせるサンドペーパーも便利です。水をつけて使うのが特徴で、水垢専用のものも市販されていますが、傷がつきやすく、使える場所は限られています。
以上2つについては、使用前にクエン酸パックで少し水垢を柔らかくしてから使用すると落としやすくなります。
他にも、鏡やガラスの水垢には新聞紙を水で濡らして擦る方法があります。
新聞紙は印刷のインクに油分が含まれているため、水垢と油分を落としてくれます。全体を拭いたら乾拭きするのを忘れずに。
しかし、汚れが頑固な場合にはガラスクリーナーやクエン酸水などが必要になることもあります。
水垢が積み重なる前の、日常のお手入れに合った手軽さを利用してみましょう。
水垢の予防方法
ついてしまうとなかなか取れない水垢を予防する方法を紹介します。
簡単にできる方法で、頑固な水垢を予防しましょう。
水滴が乾く前に拭き取る
水垢がつくと目立つ鏡や蛇口のそばに柔らかいスポンジやタオルなどを用意して、使用後に水滴を拭く習慣をつけましょう。
浴室は壁など広い範囲の水滴を残さないようにするため、スクイージー(シリコン製のワイパー)を利用したほうが拭き取るより手間がかかりません。
家族がいる場合は、自分一人だけではなく家族全員が前向きに取り組んでこそ効果の持続が期待できるため、全員に伝えましょう。
気になるところは水垢防止スプレー・コーティング
水回りをコーティングすると水垢だけでなく汚れもつきにくくしてくれます。
市販されている手軽なものでは、スプレーで簡単に吹きつけるタイプのコーティング剤や撥水スプレーがあります。
使用方法や持続効果、使ってはいけない掃除道具や洗剤についてなど、よく調べて使用しましょう。
掃除が必要なくなるわけではありませんが、頻度を減らせて楽になるメリットがあります。
換気が大切
水垢予防のポイントは、水滴をできるだけ作らないのと、それを自然乾燥させないことです。
きれいに洗ったグラスでさえ、水滴を自然乾燥させると水質の影響や、空気中のホコリなども吸い込んで、水垢がすぐつきます。
浴室や洗面所のある脱衣所などは入浴後の湿度が高く新たな水滴ができやすいため、拭き取ったあとは換気をし効率的に乾かすことで、水垢を防ぐことが可能です。
まとめ
水垢は普段の掃除の方法や頻度によっては落としきれない性質であることが分かって頂けたかと思います。
積み重なると落としにくくなる水垢ですが、目立つところだけでもきれいに落とせれば清潔なイメージを維持できるため、忙しくてもポイントを押さえて掃除するのが得策といえるでしょう。
この記事を参考に一度水垢を落とし、そのきれいさを味わうことで、こまめな水垢予防の習慣の継続につながれば嬉しいです。