排水溝に見る「ゼリー状」の正体とは?見つけた時の対処法と予防法
排水溝近辺で、ゼリー状のものを見たことはありませんか?
排水溝については、汚れ、詰まり、臭いなど、気になるトラブルがさまざまあると思いますが、原因のわからないことが起こると、どう対処しようか、誰かに相談していいものなのかなど、解決に困りますよね。
排水溝でゼリー状の物を発見した時に、冷静に対処できるよう、その正体と対策、そして予防策まで、分かりやすくご紹介します。
目次
排水溝で見つけるゼリー状のものとは?
ゼリー状というと、人によってはイメージが違うかもしれませんが、ドロドロ、ぬるぬる、ヘドロ状などと言い換えると「あ、アレのことか?」という心当たりがあるかもしれません。
黒いもの、白っぽいもの、茶色、さまざまな物が混じっていて何とも形容しがたい色や、固めだったり崩れやすかったり…表現すると多岐に分かれるそのゼリー状の正体は、実は以下に紹介する、ゴミや汚れなのです。
油汚れ
台所で見つかるゼリー状の正体は、料理で使用する油の汚れが冷えて固まったものです。
しかし単なる油汚れではなく、排水溝や排水管にこびりついた上に、食材カスや洗剤がまとわりつき、雑菌が繁殖し、元々の油とは様相が大分変ってしまったものです。
洗濯機や浴室の排水溝も、皮脂汚れが流されるので全く油がない訳ではありませんが、ゼリー状になるほどの量といえば、やはり台所で発見される確率が高いです。(※厳密には皮脂と油は違います)
マウスウォッシュ
最近の記事で、マウスウォッシュが排水溝内の髪などのタンパク質ゴミを分解してゼリー状に変化し、洗面所の排水溝や配水管に溜まる事案が数多く発生していると、水道業者などからの説明があります。
(出典元:「洗面台のパイプ詰まり、マウスウォッシュが原因?「固まりやすいと聞いた…」 全国管洗浄協会の見解は」神戸新聞NEXT)
単体ではなく、あくまでも歯磨き粉などと一緒に複合的に混ざってしまうことでゼリー状となり詰まりの原因になるということです。
マウスウォッシュは液体状ではありますが、粘性があるものなのでこういった原因になることがあるようです。少し多めの水を流すなど、排管の途中で停滞しないような工夫が必要になってきそうですね。
異物
最近、日用品にゼリー状やジェル状で使用する便利なものが結構多く出回っていますよね。
例えば、発熱対策で額などに貼る発熱時冷却シートや、ジェル状の薬剤で鎮痛する湿布、紙おむつやペットシーツなどに使われている高分子吸収剤などがあります。
こういったものをうっかり洗濯物に混ざってしまうなど、何かの拍子で排水溝や配水管に入り込んでしまう事態も耳にすることがあり、全くないとは言いきれない事案です。
バイオフィルム
上記のような汚れや異物が排水溝から入り込み放置されると、そのどれに対しても結果的には雑菌が繁殖します。
雑菌は、バイオフィルムという自分の身を守るためのヌメリ(膜)を形成して、お互いを強く結びつけ、より自分たちが棲みやすい環境を作り上げ、その中で増殖し続けます。
連携のとれたチームのように、情報を伝達し、最適な環境を保つことで、薬剤などから身を守り、どんどんその規模をゼリー状の塊へと広げていきます。
そのため、バイオフィルムを防ぐか、あるいはバイオフィルムを壊すことで、初めて排水溝のトラブルを解決できるといえるでしょう。
バイオフィルムや油など粘性のあるものが排管内に残ることで、さらに他の汚れも絡みやすくなります。
排水溝にゼリー状の汚れを作らないために
最終的には汚れに対して雑菌が繁殖しバイオフィルムを形成されてしまうことが、ゼリー状の汚れの塊を作ってしまう原因となりますが、その汚れが排水溝を完全に詰まらせる前に、以下のような対策をすることで、最悪の状態を免れることが可能です。
排水溝にゼリー状のものを見つけたら
もし排水溝にゼリー状の汚れの塊を見つけた場合、どういった処置が必要になるのでしょうか?
触りたくないとは思いますが、汚れの塊をそのまま放置したり、無理やり流したりするのは、排水管に症状が進み奥で詰まる危険性があるので、ビニール袋などにとって燃えるゴミとして処理します。
普段燃えるゴミとして捨てているレジ袋などを手に被せて、塊を取ってひっくり返すなどすると、直接触らずにそのままゴミ箱へ捨てることができます。
パイプクリーナーなどの薬剤を使ったり掃除したりするのはその後が良いでしょう。
パイプクリーナーを定期的に使用
排水溝が詰まった時や流れが悪くなった時に適した薬剤であるパイプクリーナーの主成分は水酸化ナトリウムや次亜塩素酸ナトリウムです。
水酸化ナトリウムは油や皮脂などを分解するので、特に向いているのは台所ですが、ほぼどの排水溝に対しても有効です。
そして次亜塩素酸ナトリウムは、タンパク質を分解する上に殺菌能力も高いので、湿気が高くカビが生えやすい、髪の毛などが排水溝に溜まりやすい浴室などに特に効果があります。
このパイプクリーナーを、毎日でなくとも定期的にメンテナンスに使用することで、排水溝から排水管の近いところ程度の汚れを落とし、キレイに保つことができます。
しかし、排水溝が詰りかけている状態で使用する場合、パイプクリーナーによって剥がれ落ちた汚れの塊が、もっと奥の方で滞留してしまう可能性があるので、バケツ1杯分程度の十分な量の水(お湯はガスが発生しやすく危険)で流すなどが必要です。
もしパイプクリーナーなどの薬剤を使っても水が流れていかない場合、ワイヤーのパイプクリーナーなどを使用し、詰まっている汚れの塊を一度貫通させた方がいいケースがあります。
どちらにせよ、自力での対応が難しいような最悪の場合は、業者に依頼することになってしまいます。
程度が酷くならないよう予防できるメンテナンスを心がけましょう。
マウスウォッシュを直接流さない
マウスウォッシュを使用する際、口を濯いでそのまま排水溝に捨てている人が大多数だと思いますが、上述した通り、汚れの原因となる可能性があります。
マウスウォッシュを流す際は、水を多めに流し、十分に薄めてから流す方法をおすすめします。
お湯を流す
台所の排水溝は特に油汚れがこびりつきやすいので「今日は揚げ物だったな」とか「うっかり油を流しちゃった」などという日は、50℃前後のお湯を流して、熱で油汚れを少しでも流すメンテナンスを取り入れてみましょう。
熱湯は排水溝や排水管を変形させてしまう原因になる可能性がありますので、温度に気を付けましょう。
油に対してお湯を使った台所の排水溝のメンテナンスについては、こちらも参考にしてみてください。
浴室では、排水溝の他にも浴室全体にお湯をかけることでカビ防止としてある程度効果が見込めますが、湿気がこもると逆効果なので、お湯をかけた後は換気などを行ってください。
こういった小さな努力が、排水溝のトラブルを少しでも防ぐことに繋がります。
排水溝と排水管をゼリー状の汚れから守るには
水酸化ナトリウムや次亜塩素酸ナトリウムはゼリー状の汚れに効果があり、有効なお掃除方法の一つです。
しかし、排水管は何メートルと続いており、奥に関してはどうやってお掃除するか悩まれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そもそもの原因である、汚れに対して発生するバイオフィルムを排水管の奥に渡って防ぐことができたら、排水溝や排水管のトラブルを激減することが可能なのではないでしょうか?
実は、住宅の長い排水管の汚れやヌメリを、排水溝から流すという方法で洗浄し防止することができるバイオ洗浄剤があります。
株式会社スリーケーの「排水管洗浄液」は、気になる排水溝から、
- 初月は1週間に1度、500㎖流す
- 次月からは2週間に1度、500㎖流す
という、とても簡単な方法で使用します。
流したあと、4時間ほど放置するとより良い効果が得られるので、お出かけ前やお休み前などに流すのが最適です。
有用な微生物と酵素が排水管の汚れをはがし、再付着を防ぎ、抗菌してくれます。
やっかいなバイオフィルムの改善に繋がり、継続使用することで長年蓄積した汚れのある排水管もキレイな環境を保ちやすくなります。
あとは排水溝の毎日のメンテナンスをして頂ければ、目の届く範囲と目の届かない範囲の、両方のゼリー状の汚れを防ぐことが可能です。
ただし、微生物の力で叶えることができる方法ですので、強酸・強アルカリ性の薬品との同時併用は微生物の動きが鈍くなってしまいますので、使用の際は1時間以上の間隔を空けて使用してください。
まとめ
排水溝のゼリー状の正体や、発見場所別の違い、バイオフィルムという共通点、そしてその厄介さ、予防策など、さまざまな角度から詳しく解説してみました。
排水溝でゼリー状の得体のしれないものを見つけても、この記事を読むことで落ち着いて対処して頂ければ嬉しいです。
排水溝は勿論ですが、その奥の排水管のトラブル防止のためにも「排水管洗浄液」で息の長い「キレイ」を確保することをおすすめします。