掃除に便利なアルコール!掃除方法やスプレーの作り方などを解説
さまざまな洗剤が発売されているなかで、掃除にはアルコールを使用しているという人も多いですよね。
アルコールは手指や物の消毒だけではなく、汚れを落とすこともできるため、効果的な使用方法を知ることで、掃除が楽になるだけではなく除菌・防カビ効果も期待できます。
この記事では、製品・場所別にアルコールを使った掃除方法やアルコールの基本情報、メリット、使用上の注意点などをわかりやすく解説します。
この記事を最後まで読むことで、正しいアルコールの使い方を知り、効果を最大限発揮するやり方で掃除ができるでしょう。
目次
アルコールの種類
一般的にアルコールとして出回っているものはエタノールが多いため、アルコールで掃除をしたいと思ったら、薬局などで販売されているエタノールを購入するとよいでしょう。
ここからは、アルコールの種類について紹介します。
アルコールとは
アルコールの用途は、消毒剤や飲料、溶剤、燃料など多岐にわたり、特にエタノールはよく使われています。
掃除によく使われるエタノールは以下の2つです。
- 無水エタノール
- 消毒用エタノール
掃除で便利なアルコールを理解することで、家族の健康や家庭の衛生を守ることにつながります。
アルコールの中で掃除によく使うエタノールは「無水エタノール」と「消毒用エタノール」の2種類があります。
それぞれのエタノールの特徴などを解説します。
無水エタノール
無水エタノールは、水分を一切含まない純度99%以上のエタノールを指し、日常では掃除に使用されることが多いです。
リモコンや冷蔵庫、電子レンジなどの水分を嫌う電化製品の掃除や指紋を残したくない窓ふきなどで効果を発揮するでしょう。
揮発性が高いため、拭き取り後すぐに乾燥して拭き跡が残りにくいです。
ただし、揮発性が高いため直接手に触れると手荒れや肌荒れが起きる可能性があるため、使用する際は手袋を着用してください。
無水エタノールを正しく使って、清潔で衛生的な環境を維持しましょう。
消毒用エタノール
消毒用エタノールは、濃度76.9~81.4vol%の範囲で製造されるエタノール製品で、家庭や公共の場などで掃除に使われるものです。
濃度76.9~81.4vol%のエタノールは高い除菌効果があり、特に70〜80%前後の濃度が多くの雑菌やウイルスに効果があるとされています。
消毒用エタノールの用途は以下のようなものがあります。
- 手指の消毒:外出から戻った後や食事前に手指を消毒するために使う
- キッチンやバスルームの清掃:シンクやトイレ周りなど細菌が繁殖しやすい場所の掃除に使う
掃除に最適な濃度の消毒用エタノールを使うことで、安全かつ効率的に細菌やウイルスを除去できます。
【場所別】アルコールを使った掃除方法
アルコールは多くの場所でその効果を発揮しますが、最大限に効果を活かすには場所ごとの掃除方法を知っておくとよいでしょう。
場所別のアルコールを使った掃除方法とおすすめのアルコールの種類を紹介します。
キッチン周り【無水エタノール・消毒用エタノール】
アルコールは、キッチンのカウンターや食器棚、蛇口などを除菌して清潔に保てます。
キッチンは水や食品を扱う場所なので、細菌やウイルスが繁殖しやすく、自分だけではなく家族の健康を守るためにも定期的な除菌が必要です。
- キッチンのカウンターの除菌方法:調理前にスプレーボトルに入れたエタノールをカウンターに軽く吹きかけて、清潔な布で拭き取る
- 蛇口や取っ手の清掃方法:頻繁に触れる蛇口や冷蔵庫、食器棚の取っ手などをエタノールを染み込ませた布で拭く
- 食器棚の除菌方法:エタノールをスプレーして布で内外を丁寧に拭く
キッチン周りの掃除にアルコールを使用することで、迅速かつ効果的に細菌やウイルスを除去し、衛生的な環境を維持できます。
窓ガラス【無水エタノール】
アルコールを使用して窓ガラスを掃除すると、手垢などの油脂の膜を素早く除去して、透明感のあるピカピカの窓ガラスを維持できます。
窓ガラスには、外からのほこりや内からの手あか、キッチンの油煙などが付着しやすいので、それらを放置することでガラスがくもって見えてしまいます。
基本の掃除方法は以下の通りです。
- エタノールをスプレーボトルに入れて直接窓ガラスに吹きかける。
- 清潔な布や新聞紙を使って、円を描くように優しく拭き取る
窓ガラスに頑固な汚れやシールの剥がし跡がある場合、アルコールを少し多めに布に含ませて、汚れが柔らかくなるまで擦ります。
窓ガラスの掃除にアルコールを使用することで、汚れを効率的に除去し、透明で明るい窓ガラスが維持できます。
トイレ・お風呂【無水エタノール・消毒用エタノール】
アルコールを使用してトイレやお風呂の掃除をすることで、除菌効果が高く清潔で衛生的な空間になります。
トイレやお風呂など水回りは、湿気が多く細菌やカビが生えやすい環境なので、定期的な清掃と除菌は必要不可欠です。
トイレの清掃方法例
- トイレの便座やフタ:ハンドルにエタノールを含ませた布を使用して拭く
- トイレの内側:直接アルコールをスプレーしてトイレブラシでこする
お風呂の清掃方法例
- 浴槽・壁・蛇口:アルコールをスプレーして、スポンジや布で拭き取る
- 水アカ:アルコールを直接塗布して拭き取る
トイレとお風呂の掃除にアルコールを使うことで、除菌効果を高めて、快適で衛生的なお風呂空間を保てます。
テーブル【消毒用エタノール】
アルコールは、テーブルの表面についた汚れや細菌を効果的に除去し、素早く乾燥させることで清潔で美しい仕上がりにしてくれます。
テーブルは日常的に使用するため、ほこりや食べこぼし、手垢などで汚れがたまりやすいです。
テーブルの清掃方法:エタノールを含ませた柔らかい布を使ってテーブルを拭く。
テーブルが木製の場合は、木材にダメージを与える可能性があるので注意しましょう。
畳・絨毯(じゅうたん)【消毒用エタノール】
アルコールを使って畳や絨毯の表面を掃除することで、汚れや菌を効果的に除去でき、足元が清潔に保たれます。
畳や絨毯は、ダニや細菌が繁殖しやすく汚れやシミがつきやすいため、定期的な掃除と除菌をすることでアレルギーのリスクを減らせます。
畳の清掃方法
- アルコールをスプレーボトルに入れて、畳の表面に軽く吹きかける
- 乾いた布で優しく拭き取る
アルコールの使用は控えめにして、畳が湿らないように注意しましょう。
絨毯の清掃方法
- アルコールを含ませた布で絨毯を叩いた後、乾いた布で拭き取る
- 絨毯が大きい場合は、アルコールを含むスプレーで軽く霧吹きする
電化製品【無水エタノール】
無水エタノールは、電化製品の表面やボタン周りの細菌や汚れを安全に除去できるので、清潔さを保つのに効果的です。
電化製品は日常生活で頻繁に触れるものであるため、表面やボタンは雑菌意外にも皮脂などが付着しやすいです。
特にリモコンやスマートフォンは、不特定多数の人が触る可能性が高いので、汚れが蓄積されやすいです。細かい隙間は綿棒にアルコールを含ませて拭くと良いです。
電化製品は定期的に掃除することで、清潔に保たれる上に長持ちします。
便利な「アルコールスプレー」の作り方
家庭で簡単に作ることができるアルコールスプレーは、日常の清掃や除菌にとても便利です。
希釈方法
無水エタノールを70%エタノール水溶液に希釈するための基本的な手順は以下の通りです:
必要な材料
- 無水エタノール
- 精製水(または蒸留水、煮沸して冷ました水道水)
- メスシリンダーや計量カップ
- 清潔な容器(スプレーボトルや遮光ボトル)
希釈の計算
- 目的の濃度と必要な量に応じて、無水エタノールと水の割合を計算します。
- 例えば、100mlの70%エタノール水溶液を作る場合、無水エタノール70mlと精製水30mlを混ぜます。
具体的な手順
- 計量カップやメスシリンダーを使用して、無水エタノールを計量します。
- 同様に、精製水(または蒸留水、煮沸して冷ました水道水)を計量します。
- 清潔な容器に無水エタノールと精製水を注ぎ、よく混ぜます。
注意事項
安全性
- エタノールは可燃性が高いため、火気の近くで取り扱わないようにします。
- 換気の良い場所で作業し、目や皮膚に直接触れないように注意します。
- 水道水や浄水は、残留する不純物や微量成分がエタノールの消毒効果に影響を与える可能性があります。
適切な保存
- 作成した消毒用アルコールは、遮光ボトルや密閉容器に保存し、直射日光を避けるようにします。
さらに薄いアルコールスプレーを作る場合
70%のアルコールスプレーでは肌が荒れるなどの場合、濃度を変えることでより薄めたアルコールスプレーを作ることもできます。
例えば、35%アルコールスプレーの作る場合は、以下になります。
- アルコール濃度80%前後の市販のエタノール90mlと水110mlを混ぜて、アルコール濃度35%前後のエタノールを作る
- 作ったエタノールを空のスプレーボトルに入れる
- スプレーボトルに蓋をして、よく振り混ぜる
アロマなどを滴下して、香りをつける
香りをつけたい場合には、アロマを加えて使用することも可能です。アロマを入れる際には、以下に注意してください。
適切な種類のアロマオイルを選ぶ
- 天然の精油(エッセンシャルオイル)を使用することが推奨されます。合成の香料は、エタノールと混ざったときに予期しない化学反応を起こす可能性があります。
- 一部の精油は皮膚に刺激を与えることがあるため、皮膚に直接使用する場合は、肌に優しいものを選びます。
適切な濃度に希釈する
- 精油は非常に濃縮されているため、少量を使用します。一般的には、100mlの消毒用アルコールに対して5〜10滴程度が適量です。
良く混ぜる
- 精油を加えた後は、容器をよく振ってエタノールと精油が均一に混ざるようにします。精油はエタノールと混ざりやすいですが、混ざりきらない場合があるため、使用前にもよく振ることが大切です。
- また、エタノール濃度が40%以上だと精油を均一に混ぜやすいです。そのため、40%以下のエタノールを作る場合には、原液に精油を溶かしてから薄めるなどの方法が有効です。
アルコールで掃除するメリット
アルコールで掃除するメリットはいくつかあります。メリットを紹介します。
拭き取る必要がない
アルコールは、高い揮発性により自然乾燥するため、後から拭き取る必要がないです。
特に掃除でよく使われるエタノールは、表面にスプレーしてもすぐに蒸発するため、除菌や掃除後に余分な水分を残しません。
- キッチン周り:カウンターやコンロなどにアルコールをスプレーして拭くと、すぐに乾燥する
- 電子機器の表面:スマートフォンやリモコンなど、水分に敏感な電子機器の表面を清掃する
拭き取りが必要ない掃除は、作業の簡素化と時間の節約だけでなく、拭いた場所を素早く乾燥させることで、清潔かつ衛生的な空間を維持します。
油・手垢汚れが落ちやすい
アルコールは、油や手垢の汚れを素早く分解してくれます。
よく掃除に使われるエタノールは脂溶性の特性により、油分と混ざり合うことで油性の汚れを分解できます。
- キッチンの油汚れ:調理後の油が飛び散ったコンロ周りや換気扇のフィルターに、アルコールをスプレーして布で拭き取る
- 電子機器の手垢:スマートフォンやタブレット、キーボードについた手垢を、柔らかい布にアルコールを少し含ませて拭く
水や通常の洗剤では落ちにくい汚れでも、アルコールを使うことで簡単に落とせます。
アルコールには、油性の汚れを分解して除菌する効果があります。
除菌・カビ防止効果がある
アルコールを使用した掃除は、除菌効果とカビ防止効果があります。
一般的に使われるエタノールは、多くの細菌やウイルス、カビの胞子に対して強力な除菌作用を持っているからです。
- バスルームの清掃:シャワーや洗面台など湿気が多くカビが生えやすい場所に、アルコールを定期的にスプレーする
- キッチンのスポンジ除菌:キッチンのスポンジにアルコールをスプレーして、数分間放置した後よく洗い流す
アルコールは、簡単でありながら効果的な除菌とカビ防止ができます。
家庭を清潔に保ち、健康リスクを減らしましょう。
アルコールを使って掃除する際の注意点
アルコールを使う際に注意しないといけないことがいくつかあります。注意点を5つ挙げて紹介します。
しっかり換気をする
アルコールを使って掃除をする際は、しっかり換気をしましょう。
揮発性が高いアルコールが密閉された空間内で高濃度になると、呼吸器への刺激や頭痛、めまいなどの健康リスクを引き起こす可能性があるからです。
換気の仕方は以下のようなものがあります。
- 換気扇を回す
- 窓やドアを開ける
健康や安全のリスクを防ぎながら、効果的かつ効率的な掃除を行いましょう。
火の近くで使わない
アルコールは、火気を避けて使用することがとても重要です。
アルコール(エタノール)は引火しやすい性質を持っているので、火花などの火気と接触すると瞬時に引火する可能性があります。
アルコールを使用する際は、ガスコンロやろうそく、たばこなどはもちろん、隠れた火元となり得る電気製品の近くでも使用を避ける必要があります。
火気の使用がない安全な環境で掃除を行うよう心掛けることが、事故を防ぐ上で大切です。
長時間使うなら手袋をつける
アルコールを長時間使用して掃除する際は、手袋を着用しましょう。
アルコールが皮膚に直接長時間接触すると、皮膚の自然な油分を取り除くため、乾燥や刺激を引き起こす可能性があるからです。
特に、敏感肌やアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患がある方は、アルコールの使用によって症状が悪化するかもしれません。
対策としては、掃除用にゴム手袋やニトリル手袋を着用したり、掃除が終わった後に手を洗ってから保湿クリームを塗ると良いでしょう。
子供やペットが届かない所に保管する
アルコールは、子供やペットが触れたり飲んだりしないように、届かない場所に保管してください。
誤って摂取してしまった場合、呼吸器系の問題を引き起こす可能性があるからです。
高い棚やロックができるキャビネットに保管したり、子供やペットが近くにいないことを確認しながら掃除したりして、家族とペットの健康を守ることが大切です。
ペンキやニスが塗ってある素材には使わない
アルコールは、ペンキやニスが塗ってある素材に使用しないよう注意しましょう。
アルコールは溶剤としての性質を持っており、ペンキやニスといった塗装された素材の表面を溶かしたり、変色させたりする可能性があるからです。
特に掃除でよく使われるエタノールは、化学物質を効果的に溶解する力が強いため、塗装された家具や床、壁などの表面に使用すると、見た目を損なうリスクがあります。
アルコールを使って掃除をする際は、使って良いものと使ってはいけないものを理解して、適切な素材のみに使うのが重要です。
まとめ
アルコールは、除菌効果や汚れを落とす能力の高さにより、さまざまな場所での掃除においてとても効果的な掃除用品です。
キッチン周りや窓ガラス、電化製品など、多岐にわたる場所や物に対して使うことで、衛生的かつ清潔な環境を維持できます。
また、用途に応じたエタノールを選ぶことで、日常の掃除を簡単かつ効率的に行えます。
しかし、アルコールを使って掃除する際にはいくつかの注意点があります。
注意点を守りつつアルコールの持つメリットを最大限に活かすことで、効率的かつ効果的、さらに安全に掃除を行えるでしょう。