白カビが人体に与える影響は?対処方法と対策について解説
日常生活で目にすることがある「白カビ」ですが、放っておくと人の体にどのような影響があるのでしょうか。
一見無害そうにみえる白カビもありますが、放置すると人体に悪影響を及ぼす可能性があるので、見つけ次第除去し、発生を予防する必要があります。
本記事では、白カビの人体への影響や、掃除する際の注意点、対策方法などを詳しくご紹介します。
目次
白カビが人体に与える影響
白カビは、私たちの身近に存在するカビの一種で、我々の生活用品の多くを栄養源として繁殖することができます。
他のカビは、主に食品や水回りに多く見られるのに対し、白カビは洋服や布製品などの繊維質なものや、家庭内でも湿度のこもり易い所で見られることが多いです。
また、他のカビと違って、ふわふわとした埃のような見た目をしています。そのため、放置したり、軽く掃除する程度で終わってしまったりする人が多いのが現実です。
家庭で見る白カビは、胞子を吸い込むことで喘息や鼻炎、アレルギー症状などを引き起こす恐れもあるため、発見したら放置せず取り除くようにしましょう。
また、夏場にカビの胞子が飛ぶことによって発症する「夏型過敏性肺炎」は、白カビの一種であるトリコスポロンが原因であると言われています。
過敏性肺炎に罹った場合、軽度でも入院による治療が必要になります。悪化すると、退院後も自宅で酸素を吸入し続ける生活を強いられてしまう可能性があります。
アトピーやアレルギーとは違い、体質に関係なく罹る病気です。
原因物質を避けるしか対策方法はないので、白カビ対策は早めに始めることが大切です。
白カビが育つ条件
カビ類は、以下の条件が重なることで活発に発育します。
- 酸素
- 湿度(約60~90%)
- 温度(約20~30℃)
- 栄養(食べこぼし、埃、ダニ)
これらの値はカビにとって最も生息しやすい目安の指標であり、基本的に人間が生活できる環境であれば繁殖は可能です。
白カビだけでなく、赤カビや青カビ、黒カビなど、一般家庭でよく見るカビ類の多くがこれらの条件下で活発に繁殖するので、カビ対策の目安として覚えておきましょう。
白カビの場合は、特に湿度70~80%の環境で爆発的に繁殖するとされているので、部屋の隅や家具の影など、湿気が溜まりそうなところは乾燥させるように保つことが必要です。
発生しやすい環境とは?
どこの家庭にも、必ずと言っていいほど白カビが好む条件が揃っている場所があります。
白カビは埃の様な見た目をしていますが、埃が溜まるところに発生しやすく、白カビだと気が付きにくいので注意が必要です。
みなさんが埃だと思い込んで長年掃除せず放置してきた場所は、もう既に白カビにとって居心地の良い場所になってしまっているかもしれません。
押し入れやクローゼット
埃やダニ、湿気が多く集まる押し入れやクローゼットは白カビが繁殖しやすい条件が揃っています。
気が付かないうちに押し入れの隅が白カビだらけ、なんて事態も起こりかねないので注意が必要です。
畳
畳は湿気を吸収しやすいので、白カビにとって繁殖しやすい場所の一つです。
また、素足で歩くことで足の垢や汗がつくので、白カビの栄養になるものが豊富にあります。
素材を編み込んで作ってあるので、内側に湿気や汚れが入り込むと取り除きにくいのも原因として挙げられます。
靴箱
人間の足はとても汗を掻きやすく、多くの靴を収納する靴箱は、白カビが活発に繁殖する場所と言えます。
また、雨の日に履いたスニーカーを乾かさずにそのまま靴箱にしまう、なんてことをしてしまうと後々大変な事になりかねません。
普段から風通しを良くしておいたり、定期的に靴を洗って乾かしたりする等の工夫をしましょう。
木製の家具や壁
木材等の自然素材で作られている家具や壁、床などは、白カビが好んで繁殖しやすい傾向があります。
木製のタンスやクローゼットと衣類が共存すると、白カビが発生しやすい条件が揃うので注意が必要です。
湿気の多い衣類
衣類についた食べこぼしや湿気は白カビの繁殖を促進します。
特に、洋服を多く所持していて押し入れの風通しが悪かったり、帽子やマフラーなどの布小物を多数保管してたりする場合は、使っていない場合でも時々クリーニングや天日干しを行い、乾燥した状態で収納するようにしましょう。
白カビの除去方法
白カビは、他のカビと異なり掃除するのは難しくないですが、場所や素材によって手段を選ぶ必要があります。
効率よく、効果的に掃除するのが望ましいです。
白カビは素材に根深く浸透するカビでは無いため、軽度のものであれば表面的なお手入れで綺麗にすることができます。
カビ掃除に効果的で、広範囲に渡り使用できるアルコールや除菌スプレーが有効です。
強力な漂白剤やカビ取り剤の使用は極力避け、どうしても使用したい場合は、目立たない場所で試してからにしましょう。素材を傷付けたり、変色したりする恐れがあります。
押し入れなどに発生した場合
中に入っていた物を全て取り出し、除菌スプレーを用いて白カビを拭き取ります。隅っこや溝などに入り込んでいる場合はブラシを用いて掃除するとよいでしょう。
水気を完全に飛ばしてから中にものをしまいます。
洋服や靴に発生した場合
洗濯や手洗いが可能な布製品は、酸素系(酵素系)漂白剤を使用してすすぎ洗いをすると良いです。
洗った後は、よく洗い流し、しっかりと乾燥させてから元に戻しましょう。
収納されていた場所も、乾拭きや除菌スプレーを噴霧するなどして綺麗にし、完全に乾いてから物を戻します。
食品に発生した場合
カビが付着した食品を、「その部分を取れば食べれる」と言って食べようとする人がたまにいますが、他の部分にも菌が浸透している可能性があるので、勿体ない気持ちを我慢して廃棄することをおすすめします。
白カビを掃除する際の注意点
白カビを掃除する際は、マスクやゴム手袋を着用して換気の良い環境を作りましょう。
室内で舞い上がった埃が部屋中に散らばったり、胞子を吸いこんでしまったりするのを防ぐためです。
その他にも、押さえておくべきポイントが3つあります。
知らずにやってしまいそうなNGポイントが多いので、掃除する際はよく注意して作業するようにしましょう。
掃除機は使わない
埃を掃除する時、掃除機を使ってしまいがちですが、白カビ掃除では極力控えるようにしましょう。
いきなり掃除機をかけると、床のカビが舞い上がって部屋中に散乱してしまう可能性があります。
水拭きや乾拭きをしない
これもやってしまいがちな方法ですが、水拭きをするとカビを広範囲に広げてしまう可能性があります。また、乾拭きもカビを舞い上げたりといった可能性があります。
拭き掃除をする際は、エタノールを吹いてお掃除される方が良いです。エタノールの濃度は70~80%くらいのものが一番除菌効果を発揮します。
カビが発生した部分を中心に、広い範囲で掃除する
目に見える部分以外でも、胞子が付いていてカビが繁殖の準備をしている恐れがあるので、目に見えて発生している以外の部分も、広範囲に渡って掃除するようにしましょう。
発生を防止するには?
白カビができやすい環境というのは、そのままにしておくといくら掃除しても何度でもカビが発生します。
一度綺麗にしたからといって、油断は禁物です。
白カビを除去したら、次はカビが生えてこない環境作りを意識しましょう。
湿気を溜めない
除湿剤を置いたり、換気を良くしたりして湿気対策をしましょう。
押し入れやクローゼットは、人によっては締め切ったままほとんど開けないという人もいるので、用が無くてもこまめに開けて換気をするようにしましょう。
換気をする時は、押し入れの扉を開けるだけでなく部屋の窓も開けて室内ごと換気するとより効率的です。
寝具や使っていない衣類なども、定期的に日に当ててよく乾燥させると良いでしょう。
埃を溜めない
埃のある所に白カビは繁殖しやすいので、埃を溜めない・定期的に取り除くなどの対策をとりましょう。
特に、目の届かない隅の部分は、意識して目を向けるようにすることが大切です。
埃を掃除する際、水拭きをする場合は、最後に水気をしっかり乾かし、除菌スプレーなどで仕上げると効果的です。
こまめに除菌する
除菌スプレーやアルコールスプレーを用いて定期的に除菌をするようにしましょう。
アルコールスプレーの場合、無水エタノールよりも濃度70~80%くらいのものの方が効果を得やすいです。
エタノール濃度が60%未満など低い製品であっても、ベンザルコニウム塩化物などで殺菌効果を高めている製品もあります。
まとめ
白カビは一見無害そうな見た目をしていますが、放置するとどんどん増殖して処理が大変になります。
しかし、掃除方法を誤ってしまうと、余計に繁殖範囲を広げてしまう事態になりかねないので、正しい方法で除去・対策をするようにしましょう。
白カビが原因で喘息やアレルギー症状を引き起こす人もいるので、カビ掃除をすることで症状が改善されるかもしれません。
カビの中には、赤カビや黒カビなど、人体への影響が大きい可能性のある種類を含むカビも存在するので、甘く見てはいけません。
特に、家庭でよく見る「黒カビ」ですが、傷口からの感染で人間を死に至らしめる種類のものも存在します。
本記事では、主に白カビについての情報をお伝えしましたが、黒カビについて気になる方はこちらの記事をご覧ください。