大掃除でトイレを徹底的にきれいに!汚れの種類や掃除方法を解説
普段から掃除をしていても、大掃除となると急に敬遠しがちになってしまう「トイレ」。
トイレのタンクや換気扇など、なかなか掃除しないところは掃除方法がわからない方も少なくありません。
今回は、トイレの大掃除で困らないために、トイレの掃除方法や汚れの種類、毎日取り入れられる掃除のコツなど、トイレ掃除について徹底的に解説していきます。
目次
トイレの汚れは種類によって洗剤を分ける!
トイレの汚れの原因は、尿やカビ、ホコリ、水垢、雑菌などが挙げられ、汚れが付着してもすぐに拭き取らず蓄積することで、より頑固な汚れに変化します。また、それに伴い臭いが発生することもあります。
トイレに付着する汚れは、主に、下記の4種類に分けることができますが、特に、黒ずみや黄ばみは付着してしまうとブラシなどで擦ってもきれいに落とすことができず、掃除方法を誤ると便器などを傷つけてしまう可能性があります。
トイレの汚れは、汚れの種類によって洗剤を分けることで、より簡単に汚れを落とす事ができます。
ただし、お使いのトイレ・便器メーカーによっては、使っていい洗剤とダメな洗剤があります。お使いのメーカー説明書を確認してから掃除を行ってください。
黒ずみ
トイレの汚れの代表的な存在といっても過言では無い「黒ずみ」が発生する原因は、主に水垢やホコリ、雑菌、黒カビです。
トイレを流すときに使用される水道水には、マグネシウムやカルシウムなどが含まれており、これらの一部成分が固まることで水垢になります。
水垢だけでなくホコリや尿などに雑菌が付着して増殖し、バイオフィルムが発生し黒ずみとなって目に見えます。
また、便器の内側の縁の部分やタンクにできる黒ずみは、黒カビが原因である場合もあります。
黒ずみは、基本的に中性洗剤をつけてブラシで擦ると落とすことができますが、蓄積された頑固なものには塩素系漂白剤や酸性洗剤を使い分けることが効果的で、キッチン用ハイターのような塩素系洗剤でも代用することができます。
塩素系漂白剤は、主にカビや雑菌が原因の黒ずみに効果を発揮するので、便器の縁などのカビが多そうな黒ずみに試してみましょう。
ただし、便座はプラスチックの場合が多く、塩素系洗剤を使用すると劣化に繋がりやすくなります。
プラスチック部分には中性洗剤、もしくは酸素系漂白剤を使用するようにしましょう。
黄ばみ
黄ばみは、主にリン酸カルシウムやタンパク質など複合的な汚れが蓄積することでできる尿石が原因で発生する汚れで、ニオイの原因にもなります。
黄ばみは、見た目も不衛生に見えてしまうので、蓄積させないためにもなるべく早めに除去する必要があります。
尿石は主にカルシウム化合物なので、塩酸やスルファミン酸などを主成分とする酸性の洗剤を使用すると頑固な汚れも落としやすくなります。
ただし、前項の塩素系の製品と酸性の製品を混ぜると有毒なガスを発生させてしまう可能性があるので、混ぜないように注意してください。
黄ばみがまだ軽い状態であれば、中性洗剤もしくはクエン酸水をスプレーし、拭き取るだけでも除去することができます。
ピンク汚れ
ピンク汚れは赤カビとも呼ばれることがありますが、厳密にはカビではなく、主にメチロバクテリウムというバクテリアやロドトルラという酵母菌による汚れです。
それらが増殖してバイオフィルムを作りだし、ピンクのヌメリ汚れとなります。
メチロバクテリウムは薬剤耐性や乾燥に強く、塩素や過酸化水素、塩化ベンザルコニウムなどの界面活性剤など掃除用洗剤に使用される多くのもので抵抗性が確認されています。
60℃の加熱処理で殺菌効果がみられるものの、高温のお湯は火傷の危険性や排水管や家財への悪影響を考えると避けた方が良さそうです。
そのため、まずは物理的にピンク汚れを落とすために中性洗剤を用いてブラシやスポンジで掃除をします。それだけでピンク色自体は落とすことができます。
洗剤を使用したくない方はメラミンスポンジでも落とすことはできますが、便座やフタのプラスチックなど素材によっては傷になるので注意してください。
また、ピンク色が落ちても菌が残っていればまた数日で汚れが発生してしまうこともあります。
それを防ぐためにも、最後にアルコールで拭き上げればより効果的です。
水垢
水垢は便器や、タンク上などに設置されている手洗い場で発生することが多い汚れです。
水垢は主にカルシウム成分などミネラルが固まったものです。そのため、酸性の洗剤が効果的で、クエン酸水などもおすすめです。
それでも落とせない水垢の場合は、水道水中のケイ酸が陶器表面と反応してケイ酸スケールと呼ばれる汚れが発生する場合があります。
こちらは非常にやっかいな汚れで酸やアルカリで落とすことができません。
その場合、酸性フッ化アンモニウム、中性フッ化アンモニウムといった成分が含まれている洗剤を選んでください。
それでも落とせない場合は、研磨剤の入っているクリームクレンザーで擦って落とすことは有効です。
しかし、研磨剤が入っているので擦りすぎると、便器や手洗い場などの本体を傷つけてしまったり、ツヤが失われる可能性もあるので、取扱い説明書を確認し、注意しながら掃除を進めましょう。
トイレを徹底的に掃除する方法
トイレを大掃除で徹底的に掃除するには、掃除をする順番が大切になります。
トイレ掃除だけではなく、他の場所を掃除するときにも言えることですが、必ず「上から下」に向かって掃除をすると、すでに掃除した箇所に汚れを落とす心配がなくなります。
トイレ掃除の場合は、下記の順番で掃除を進めてみましょう。
- 壁や換気扇
- トイレのタンク
- 便器
- 床
それでは、掃除する順番の通りに細かく掃除方法を解説します。
壁や換気扇
トイレ掃除を効率的に進めるために、まずは、壁や換気扇を掃除していきます。
壁は、一見きれいに見えますが、実は、気づかないうちに飛び散った尿が付着しアンモニア臭の原因になったり、黄ばみが付いていたりすることがあります。
壁の掃除には、シートタイプのトイレ用クリーナーで拭き上げると汚れを落としやすく、壁の上から下まで水分が残らないように拭き上げていきます。
また、換気扇は、普段のトイレ掃除ではなかなか触れない場所なので、ホコリが溜まりやすくなっています。
換気扇の蓋を外し蓋に付いているホコリを掃除機で吸い取った後、換気扇内は壁と同様にシートタイプのトイレ用クリーナーで汚れを拭き取りましょう。
換気扇の掃除をするときは、下にホコリなどの汚れが落ちやすいので、汚れを拭いている反対の手に新聞紙を持ちながら換気扇をおさえておくと、大きな汚れをキャッチすることができるので汚す心配を解消できます。
トイレのタンク
トイレのタンクもなかなか掃除しない場所の一つですが、タンク内は常に水が入っている場所なので、掃除をしないとカビや雑菌が増殖しやすく、汚れを含んだ水でトイレを流すことで便器内にも雑菌が繁殖しやすくなります。
トイレのタンクの掃除は、まず、トイレの止水栓を閉めた後タンク内の水を流し、タンクを空にします。
空になったタンクの内側をトイレ用中性洗剤をスプレーし、汚れている部分を歯ブラシやスポンジなどで擦って汚れを落としていきます。
タンクの中の水垢やカビが頑固なものである場合は、ブラシに重曹を直接つけて擦り洗いすると、重曹の粒によって汚れが落ちやすくなります。
便座や便器
便座や便器は、普段から掃除をする方が多い場所ですが見落としがちな部分があるので、大掃除をする際は普段あまり気が付かない場所を中心に掃除しましょう。
便座の蓋や蓋を接続している部分などはホコリが溜まりやすいため、シートタイプのトイレ用クリーナーで拭きます。
自動の洗浄機能が付いているウォシュレットも、自動洗浄していても汚れが蓄積している可能性があるので、ウォシュレットのノズルをシートタイプのトイレ用クリーナーで拭き上げれば、清潔に保つことができます。
そして、便器の内側の縁部分にはカビや尿石が溜まりやすいので、中性洗剤をかけてブラシで擦り上げ、汚れを除去していきましょう。それでも取れない場合は酸性の洗剤で汚れを除去していきます。
また、便器の下の部分の側面にはホコリが付着していますが、掃除で見落としがちな部分になるので、そこもシートタイプのトイレ用クリーナーで拭き上れば、便器を清潔にすることができます。
床
最後に、床を掃除します。床は、尿が飛び散ったりホコリが落ちていたりと、なにかと汚れやすい場所なので、大掃除でピカピカに磨いていきましょう。
はじめに、床全体に掃除機をかけホコリを吸い取ります。
その後、シートタイプのトイレ用クリーナーで全体を拭いていきますが、特に、汚れに注意したいのが床と便器の境目です。
床と便器の境目には、垂れてしまった尿が固まって付着していたりホコリが溜まりやすかったりと、汚れやすい場所なのでしっかりと拭いて汚れを落としましょう。
トイレの汚れを予防する3つのコツ
トイレの大掃除は順番や掃除方法がわかれば効率的に進めることができますが、毎日、もしくは、定期的に行うだけで汚れを予防するコツがあります。
ここからは、トイレ掃除を楽にするコツを3つご紹介しましょう。
汚れたらすぐ拭く
トイレの汚れは、蓄積すればするほど落とすのが厄介になります。
特に、尿に含まれるタンパク質が固まった尿石は、見た目も汚いだけはなくニオイの元となり、頑固なものは擦るだけでは落とせません。
汚れを蓄積させないためにも、まずは、トイレを汚してしまったらすぐに拭くことが重要です。
汚れてすぐの場合は、トイレットペーパーやシートタイプのトイレ用クリーナーで簡単に落とすことができるので、トイレを使用した後は便器などを確認し汚れをすぐに拭きましょう。
また、定期的に洗剤を便器の内側にかけ入れて放置し水で流すのも、軽めの汚れを一緒に流してくれるので、汚れの蓄積を防ぐことができます。
便器内をコーティングする
便器内をコーティングすることで、便器自体に汚れが付着しづらくなり水を流すだけできれいにすることができるので、掃除が簡単になるだけではなくトイレを清潔に保ちやすくなります。
便器のコーティングは、市販されているトイレ用スタンプがおすすめで、水を流すたびに抗菌効果を含んだジェルが便器の内側全体を洗浄・コーティングしてくれます。
排水管洗浄液で詰まり防止
トイレの排水管の詰まりを防止するには、株式会社スリーケーより発売している「排水管洗浄液」をおすすめさせていただきます。
トイレの排水管が詰まる原因はさまざまありますが、尿石やぬめり(バイオフィルム)などの汚れが付着し水の流れが悪くなっていると、詰まるだけではなく悪臭の原因にもなります。
「排水管洗浄液」は、初月は1週間に1回、その後は2週間に1回トイレの便器に入れて流すだけで排水管内の洗浄や消臭だけではなく汚れの再付着防止機能もあり、継続的に使用すると排水管内を清潔に保つことができます。
「排水管洗浄液」を流した後は、約4時間放置することでより浸透し汚れを落としやすくなるので、外出や就寝前などの使用をおすすめします。
汚れ別の使用洗剤まとめ
基本的には中性洗剤を使用し、以下を使用する際には取扱い説明書をよく確認してください。
材質やメーカーなどによっては使用できない場合があります。
塩素剤と酸性洗剤は絶対に混ぜないよう、同時使用しないでください。
バイオフィルム(ぬめり)、カビ
原因:尿素や糞便中の有機物と雑菌やカビ。
対応洗剤:次亜塩素酸ナトリウムや界面活性剤を含む、塩素系洗剤を使用します。
尿石
原因:雑菌によるアンモニア生成の結果、カルシウムイオンなど難溶性のものが分離。
対応洗剤:塩酸やスルファミン酸と界面活性剤を含む、酸素系洗剤を使用します。
水垢
容易な水垢の場合、クエン酸もしくは酸性洗剤にて除去が可能です。
頑固なケイ酸スケールの場合は、酸性フッ化アンモニウムや中性フッ化アンモニウムなどが含まれた洗剤を使用します。
クレンザーでも除去可能ですが、傷がついたりコーティングが剥がれたりする場合があるため、取扱い時は注意が必要です。
まとめ
今回は、トイレの大掃除について掃除方法などを解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
トイレは毎日使用する場所で汚れが付着しやすいため、普段から掃除をする方が多いですが、便座の蓋の細かい部分や便器の内側などの見えづらい場所には汚れが蓄積しやすくなります。
トイレの汚れは蓄積するとただ擦っただけでは落としづらいので、今回の記事の汚れの種類によって洗剤を変えたり解説した掃除方法を試してみたりと、年末の大掃除でトイレをスッキリきれいにしましょう。