浄化槽の詰まりはどうして起こる?どうやって直す?症状や対処法などを詳しく解説
私たちが毎日使う大切な設備である「水回り」は、故障して一日でも使えなくなると、もう大騒ぎですよね。
その中でも一番困るのが、トイレの不調なのではないでしょうか?
用を足した後に、汚水が詰まって流れていかない!なんてことになった時の焦りようといったら…想像したくもないですよね。
浄化槽を使用している場合、トイレが詰まったら…そもそも、どんな場合に業者を呼べばいいのでしょうか?
浄化槽が詰まった時の症状や、業者を呼ぶ前にできる対処法、知っておくと得するポイントや予防対策など、浄化槽が詰まって困る前に、役立つ情報をご紹介します。
目次
浄化槽について知ろう
家庭排水の処理のしくみは一つではなく、公共下水道、汲み取り式、浄化槽の三つがあります。
下水道は定期的に汲み取る必要がなく、汲み取り式は溜まればバキュームカーを呼びますが、その中でも浄化槽は、どんなしくみになっているのでしょうか?
浄化槽のしくみ
浄化槽は、トイレや家庭排水を浄化して河川等に放流する、いわば家庭の汚水処理場です。
浄化槽は中で槽が分かれていて、液体と固体に汚水を分ける分離槽や、かき混ぜて空気を送り込み微生物を繁殖させるばっ気槽、その後さらに沈殿を促す沈殿槽、放流できるまで浄化した水を塩素消毒する消毒層で成り立っています。
浄化した後に残った汚泥は、定期的に引き抜きして洗浄・装置の点検をすることが義務付けられています。
浄化槽の種類
浄化槽には、水洗トイレの汚水だけを処理する「単独処理浄化槽」と、家庭排水全般を処理する「合併処理浄化槽」の二種類がありますが、単独処理浄化槽は現在新設が認められていません。
単独処理浄化槽を利用している居住区域が公共下水道の予定処理地域の場合は、下水道を繋げるまでは使用可能としていますが、合併処理浄化槽への入れ替えを積極的に勧められている状況です。
単独処理浄化槽を使用していて詰まった場合はトイレが原因で、合併処理浄化槽を使用している場合の詰まりは原因の範囲がもっと広い、ということになります。
浄化槽が詰まる原因と対処法
トイレが流れなくなった、家庭排水が流れにくくなったなど、排水の症状は、詰まった場所や詰まる原因によって様々で、一概に浄化槽の詰まりとは断言できない場合もあります。
同じように、浄化槽の詰まりの原因は必ずしもトイレとは言い切れないのです。
そこで「詰まり」の色んなパターンと、その症状・対処法をご紹介します。
便器内の詰まりの原因と症状
急にトイレが詰まって水が溜まってしまった、あるいは溢れたという場合、その詰まりの原因のほとんどは、物を落としたり紙を使い過ぎたりなどの「便器内での異物のつまり」です。
異物に心当たりがある場合、その異物がどんなものかで対応が変わります。
水に溶けるようなものを落とした場合は、お湯を汲んできて流してみたり、ラバーカップ(いわゆるスッポン)を使用したりしてみましょう。
多少時間はかかるかもしれませんが、上記の対処と水を流すことを繰り返しているうちに、詰まりが改善してくるでしょう。
しかし、水に溶けないものを落としてしまった場合、ラバーカップなどは絶対に使ってはいけません。
ラバーカップは圧力をかけて詰まりを直すものであり、水に溶けないものに対して圧力をかけてどんどん奥へと押し込んでしまうことは、業者も吸引で取ることができなくなり、修理作業になってしまう可能性があります。
そのような場合は指定水道業者へ電話をして指示を仰ぎ、来てくれるまで待ちましょう。
排水管の詰まりの原因と対処法
家庭排水は、台所、洗面所や洗濯機、トイレ、お風呂などから排水されますが、それぞれの排水管を通り排水桝へ集められ、浄化槽へ流れていきます。
浄化槽の詰まりと聞くと、トイレが原因だと真っ先に想像しがちですが、実はその他にも以下のような様々な物が原因で、浄化槽ではなく排水管が詰まっているという場合があります。
- 水に溶けないもの(ティッシュペーパー・紙おむつ・ナプキン・タバコなど)
- 揚げ物の油・食材ごみ
- スプーンなど、小さな異物
- 皮脂汚れや髪の毛・洗剤カス
上記のことなどが原因で少しずつ汚れが溜まり、やがて、流れが悪い、マンホールが溢れるなどの症状が現れます。
時には詰まりよりも先に、悪臭などで前兆に気が付くことがあるかもしれません。
そうして起こった排水管の詰まりは、外のマンホール(点検口または排水桝)を開けて中を見ることで確認が可能です。
マンホールの蓋は重くてしっかり閉まっていますが、バールや、小さい蓋ならマイナスドライバーを使って、てこの原理で開けることができます。
中を覗いたときに満水であれば、排水管につまりがあるということになります。
マンホールがいくつか並んでいる場合、順番に開けてみて満水ではないところがあるとすれば、満水の部分との間の排水管が詰まっていることになります。
排水管の詰まりを見つけたときは、詰まっていないと思われる方のマンホールからホースごと入れて水を流すことで、詰まりの原因の塊を水圧で崩すことができます。
しかしスプーンなどのように、排水管に入り込んでしまうほどの小ささの異物が引っかかって詰まる原因になっている場合は、ホースの水流で対処できない場合もありますので、その場合は無理せず指定水道業者へ連絡してみましょう。
浄化槽が詰まった時、自分でできる対処法
上記を確認してみても原因が分からない場合は、いよいよ浄化槽の詰まりを疑うことになります。
しかし、浄化槽が詰まってしまった場合、実は自分でできることはありません。
浄化槽が詰まる原因は、液体と固体を分けた際の固体が溜まりすぎるなどがありますが、そういった物理的なものだけではないのです。
例えば前述した水に溶けないもの、紙おむつやティッシュペーパー、タバコなどが浄化槽に辿り着いてしまうと、微生物が汚泥を分解できなくなります。
浄化槽を修繕したり清掃したりする場合、上記のような問題や、中の装置の不具合などを発見する専門的な知識が必要になり、一般の人の手に負える処ではありません。
無理をするとかえって故障を招くことになりかねませんので、便器内や排水管について一通り確認して、それでも詰まりが解消しないということを、浄化槽の担当業者へ報告しつつ、改善を依頼しましょう。
浄化槽の詰まりを防ぐには
水回りのトラブルは生活していく上で脅威となりますが、日々の使い方で防げたり、早期発見に繋げたりすることが可能です。
業者を呼んで費用が嵩んでしまう前に、自分でも出来ることを普段から行いましょう。
定期的な浄化槽の点検と清掃が大切
浄化槽の使用については、浄化槽法によって年に一回の法定検査を義務付けられていて、浄化槽の構造上、清掃の時しか行うことができないので、法定検査と清掃(汲み取り)はセットで行われます。
そして清掃とはいいますが、浄化槽の中には様々な装置があるので、浄化槽の専門的な知識がなければ行うことができず、さらに世帯人数が多いと、年一回の汲み取りでは足りない場合もあります。
費用は点検を含むと4~5万円、汲み取りだけでも2~5万円程度かかることがありますが、この清掃と点検を怠ることなく実施していれば、詰まる問題は軽減でき、異常箇所の早期発見も可能です。
環境に負荷を与えないという意味でも、浄化槽をしっかりメンテナンスして大切に使用しましょう。
浄化槽の補助金制度を利用する
今現在、単独処理浄化槽を使用している家庭で合併処理浄化槽に転換を希望する場合、都道府県にて浄化槽の為の補助金制度があるので、単独処理浄化槽の使用で悪臭や頻繁な詰まりなど問題を抱えている場合は、転換するのも一つの解決方法になるでしょう。
また、浄化槽は前述した法定検査など、維持費が結構かかりますが、維持管理補助金が利用できる場合もあるので、自治体による違いなどを確認し、きちんとした浄化槽管理に役立てましょう。
排水口からのメンテナンスも効果あり
生活排水が通る排水管に少しずつ溜まっていく汚れは、放っておくと後々浄化槽の詰まりに繋がりかねません。
株式会社スリーケーの「排水管洗浄液」なら、台所でもトイレでも、排水口と言える場所ならどこからでも流すことができる手軽さと、天然のバイオがぬめりを分解し、きれいに洗浄・再付着も防ぐ性能で、排水管の詰まりや臭気を改善します。
もちろん浄化槽のご家庭で使用することができます。
日頃から気軽にできるメンテナンスを取り入れて、浄化槽に流す前の段階で詰まりを防ぎましょう。
まとめ
浄化槽の詰まりについて、どこが詰まるのか、対処法や予防法、他の詰まりとの見分け方などを詳しく解説しました。
ご家庭のトラブルの中でも上位を占めると思われる、浄化槽の詰まりですが、普段からこまめに掃除をし、浄化槽を大切に使うことで防げるトラブルも多くあります。
株式会社スリーケーの「排水管洗浄液」で、まずは家中の排水管をキレイにされることもおすすめです。
排水口から流すだけという手軽さに加え、ケミカルフリーで浄化槽にも安心してお使い頂けます。