台所の排水口の流れが悪いのはなぜ?原因と対処・予防方法を詳しく解説
台所の排水口は、他の水まわりの排水口と違って詰まりやすい厄介なものを流しがちです。
あまり触りたくない排水口ですが、流れが悪いことに気が付いた時点で対策をしないと、もっと面倒なトラブルを引き起こします。
この記事では、排水口の流れが悪くなったとき、どこが原因か、何が原因かを解説し、対処法や予防法などを紹介します。
家にあるものや市販で手にはいるアイテムなど、簡単なものから業者に頼む一歩手前のものまで、自分でできる方法はさまざまあります。ぜひご参考ください。
目次
台所の排水口の流れが悪くなる原因
毎日料理をしたり洗い物をしたりと、家の水まわりのなかで一番稼働率が高いと思われる台所の排水口は、どのような理由で流れが悪くなるのでしょうか?
原因となる汚れ
台所の排水口の汚れは、排水口やその先の至る所で、こびりつき、バイオフィルム(ぬめり)を形成し、塊へと成長し、やがて排水口を詰まらせる原因となります。
まずはどのような汚れが排水口の流れを妨げる原因になるのか、具体的に挙げてみます。
油汚れ
台所の排水口に流される油汚れには、肉を料理した際に溶け出る動物性と、揚げ物や炒め物などに使われる植物性の2種類があります。
動物性の油(脂)は固まる温度が比較的高く、わりと早い段階で固まりますが、植物性の油は固まる温度が低めのため、排水管の奥の方まで流れていってしまいます。
どちらもそれぞれのタイミングで、他の汚れやゴミなどを巻き込んでこびりつき、蓄積する原因となります。
台所の大敵・油汚れについてはこちらの記事をぜひお読みください。
『排水口の油汚れに悩む方必見!こびりつきから詰まりまでの対処法5つ』
洗剤カス
台所で洗い物をする際には一般的に中性洗剤が広く使用されていますが、その泡や洗剤成分も、排水口から水で洗い流したあとは汚れの原因になります。
水と馴染む『親水基』と、油と相性のいい『親油基』でできた『界面活性剤』の効果で、台所用洗剤は油汚れをよく落とします。
水と馴染んで運ばれた洗剤カスは、排水経路でこびり付いている油汚れと相性よく留まり、やはり排水口などを詰まらせる一因となります。
食材カスや固形物
料理中に出る小さな食材のゴミや、うっかり間違えて異物を流してしまうと、それらも流れが悪くなる原因になります。
そして形あるもの以外でも、例えば食べ残しの汁物や飲み物なども、油分を含んでいたりとろみがあったりと、その成分によっては汚れの塊を成長させることに繋がります。
排水管や排水桝の詰まり
住居を出たあとの排水管や、外に設置されている排水桝に汚れが詰まっていると、台所だけではなく家中の排水口の流れが悪くなります。
排水口の掃除や詰まりの改善など、一通りやってみたけどよくならないという場合は、下水に辿り着くまでの過程を疑ってみましょう。
排水桝は蓋を開ければなかを確認できますが、その前やあとの排水管は、業者ではない素人がその詰まりを確認したり解決するのはむずかしい場合があります。
パイプクリーナー(薬剤)
パイプクリーナー(薬剤)は、完全に詰まった排水口に使用したり、誤った方法で使用したりすると、詰まる原因になる場合があります。
詰まりの程度によっては汚れの塊の全てを溶かしきれず、溶かしたものを流すことができない事態になってしまいます。
まだ詰まっていない場合でも、薬剤投入後の放置時間を指示通り守らなかったり、十分な水で流さなかったりすると、やはり詰まる原因につながります。
詰まる場所
『台所の排水口の流れ』といっても、どこに原因があるのかで、対応は変わります。
流れが悪くなる原因になる場所を挙げてみます。
ゴミ受け
台所のシンクで出たゴミはまずゴミ受けに溜まりますが、まったくゴミを通さないわけではありません。
排水口のゴミ受けは、ネットを被せている人もいれば、そのまま使っている人、流せるならゴミ受けを通ってしまってもいいと思っている人もいます。
ゴミ受けを潜り抜けたゴミは、その先で待ち受けるバイオフィルムに捕まって、ゆくゆくは詰まりの原因になるため、ここでの対処はとても重要です。
排水口に使用するネットについて、詳しく解説している記事です。
『排水溝ネットは環境に優しい?生活に合わせて上手に選んで水回りを清潔に』
排水トラップ
排水トラップは臭いを防ぐための封水があるなど複雑な形をしていて、すんなりと広い場所に排水されるわけではないため、ここにゴミが引っかかっていたり汚れが溜まっていたりすると、流れが悪くなります。
ワントラップという部品が被せるようについていますが、この部品のサイズが合ってなかったり、内部に汚れが溜まっていたりする場合も、水の流れが悪くなります。
特にワントラップのサイズが合っていない場合、きちんと閉まらず浮くなど、排水口へのゴミの侵入を許してしまいます。
また、排水管は排水口よりもずっと細く、ここに何か詰まっていたり、ヌメリが蓄積されている場合も、水の流れは悪くなります。
排水ホース
排水ホースは蛇腹のものが多いですが、細いうえに管のなかが平面ではないため、汚れがつきやすく詰まりやすいです。
柔らかく曲がりやすいことはシンク下に収めている荷物などに押されても簡単には折れず、素人でも交換できるというメリットでもありますが、異物などが引っかかりやすく、構造上薄いため、詰まってしまうと経年劣化で穴が空く場合もあります。
排水管・排水桝
生活排水が家から流れ出ると、地中に埋まっている排水管や、地上とマンホールで繋がっている排水桝を何ヶ所か通って、下水管へと流れつきますが、ここにも詰まる場合があります。
排水管のなかの様子はうかがい知ることができませんが、排水桝はマンホールの蓋を開けてなかを覗くことができます。
排水桝は、排水管のカーブ部分やお風呂場など他の排水口からの合流点など、詰まりが起こりやすいポイントに、点検口として設置されています。
排水桝に詰まりの原因があれば掃除ができ、ここから排水管の掃除を行うことも可能な設備です。
台所の排水口の流れが悪い時
まず気を付けたいのは、完全に詰まっている場合と、流れが悪い場合は対処法が違うことです。
台所の排水の流れが悪い場合、家にあるもので行える以下の方法を紹介します。
排水口のゴミ受けやワントラップなどを全て外して、排水管の口やワントラップの裏など、気になるところは掃除をしてから試しましょう。
お湯を一気に流す
排水管の口に蓋をして、50~60℃のお湯をシンクの8割くらい溜めて、一気に蓋を外して流す方法は、油汚れを細かく砕いて、こびり付いている固まりを剥がし流せる場合があります。
要らないタオルの端を詰めたり、2リットルのペットボトルを逆さにして差し込んで押さえるなどして、排水管の口に蓋をします。タオルの場合はあとで引きぬけるよう、逆の端をシンクから出しておきます。
こちらの記事に詳しい方法を説明しています。
『排水溝の油を溶かすにはどうしたらいい?効果的な対策と注意点を解説』
液体パイプクリーナー
完全に詰まっていない場合や詰まり予防には、パイプクリーナーが有効です。
粉状や液体、ジェル状などの薬剤がありますが、慣れていない場合は液体が扱いやすくおすすめです。流すときはたっぷりめの水で流します。
放置時間、直接触らない、換気するなど、使用上の注意をきちんと守って使用しましょう。
排水口に使用する薬剤についてはこちらの記事をご参考ください。
『排水溝で使う薬剤のおすすめは?詰まりや予防、掃除で使える成分を解説』
台所の排水口が詰まった時
台所の排水口が詰まって流れないときは、以下のような方法を試してみましょう。
ラバーカップ・真空式パイプクリーナー・ペットボトル
台所用の『スッポン』や、真空式パイプクリーナー、なければペットボトルで、空気を送って詰まりを解消できるケースがあります。
ラバーカップを使用する場合、押すときはゆっくり、引っ張るときは一気に、を心がけましょう。1回で直る場合もあれば、何回も繰り返さないと直らない場合があります。
真空パイプクリーナーは、ラバーカップの押したり引いたりをポンプが代わりにしてくれますが、どこのご家庭でも常備しているわけではなく、排水口の詰まりはある日突然時間を問わず襲ってくるため、用意しやすいペットボトルを使ってみましょう。
ペットボトルの口を隙間が開かないよう配管の口に当て、何度かペコペコと空気を送ります。使用後も捨てられて便利です。
ワイヤーハンガー
届く範囲であれば、ワイヤーハンガーをまっすぐに伸ばし、排水管を傷つけないよう先を丸めて差し込み、汚れの塊を崩してみましょう。
手は届かないけれど、塊が見えているような場合は有効ですが、蛇腹ホースなどは破損する可能性があるため、注意して使いましょう。
また、排管に傷がつくと、そこに新たな汚れが付きやすくなったりするため注意が必要です。
ワイヤーブラシ
市販のワイヤーブラシは長さが1~10mと幅広く、排水口から入れて、排水管内の汚れの塊を取り除き掃除することが可能です。
排水口から入れて奥へ進めていき、何かにあたったら回転させてさらに進めて、ある程度行ったら引き抜き、水の流れをたしかめ、改善されていなかったら同じ工程を繰り返すという作業になります。
まわりを汚してしまううえ、ワイヤーが細く操作がむずかしいなど、慣れていないと取り扱いし辛いですが一般家庭用に販売されています。
業者に依頼
上記を試してみても流れが悪い、詰まったままの場合は、業者に依頼することになります。
場合によっては排水管の交換など費用が大きくかかるため、排水口の流れが悪い時点で放置せずにきちんと対処しましょう。
台所の排水口の流れを保つには
詰まってからでは面倒で、面倒になると放置してしまい、最終的には業者に依頼……ということにならないためには、毎日の『ほんの少し』が十分な対策になります。
排水口のスムーズな流れを保つために、普段から行える対策を紹介します。
掃除する
毎日軽く掃除をすれば、あとは定期的なメンテナンスで、詰まってしまった時のような大掛かりな掃除をする必要性は下がるでしょう。
一日の終わりに軽くアルコールなどをスプレーして消毒すれば、雑菌の繁殖やバイオフィルムの形成を防ぐことができます。
薬剤の使用を控えたい方は、50~60度程度のお湯を流すと、油汚れが流せるためおすすめです。
とはいえ毎日掃除はむずかしいという人は、定期的に本格的な掃除をするのもおすすめです。
液体パイプクリーナーなどは週2~3回から2週間に1回程度の使用が推奨されています。
排水口の各パーツの掃除も、定期的にハイターをスプレーして洗うなどで、頑固な汚れへの成長はある程度防げます。
(※ステンレスなど、ハイターを推奨していない素材への使用はしないよう注意してください)
『触っても平気』な排水口を目指しましょう。
流すものに注意する
食べ残さないで済む量を料理し、食器に残った油はキッチンペーパーで拭き取り、揚げ油や食材カスは流さない、など、流すものに気をつけるだけで、排水口だけでなく環境にもよい対策になります。
汚れは毎日の蓄積です。掃除する以外に、汚さない工夫をすることも、キレイな排水口・排水管を保つ秘訣です。
排水管洗浄液を使用する
掃除やメンテナンスで対処していても、排水管の奥となると、なかなか手が出せないのが現実です。
株式会社スリーケーの『排水管洗浄液』は、排水口から流すだけで、下水道まで延びる長い排水管内のヌメリを効率よく分解し、詰まりを予防します。
バイオの力は自然に優しく、目に見えない場所のメンテナンスを任せられるため安心です。
手の届くところは自分で、届かないところはバイオの力で、キレイな排水管を保ちましょう。
排水管洗浄液についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ
台所の排水口の流れが悪い場合に考えられる原因や、家にあるものでできる対処法、ちょっと楽をする予防法などを紹介しました。
普段掃除をしっかりしていても、詰まりやすいものや場所などがあるため、どうしても手間がかかるタイミングはあると思いますが、流れが悪くなったとき、放置しないで対処するための参考にして頂ければ嬉しいです。
自分で掃除ができない排水管の奥の奥は、『排水管洗浄液』が便利です。
目の届かないところの心配がいらずおすすめです。